300キロのクロマグロ 兄弟船水揚げ あっ、定置網に…フックで引っかけ、5分で生け捕り 鹿児島・長島町

 2021/05/31 13:33
港に水揚げされたクロマグロ=長島町鷹巣
港に水揚げされたクロマグロ=長島町鷹巣
 長島町鷹巣の宮之浦港で31日、約300キロ、全長約2.5メートルのクロマグロが水揚げされた。東町漁協の関係者は「こんなサイズのマグロはこの辺りでは見たことがない」と驚いている。

 「常栄丸」(12トン)の船主浜常人さん(48)が、同日午前4時半すぎ、港の東約500メートル沖の定置網に入っているのを発見した。「時間を掛けると逃げられる」と思い、短時間勝負を決意。網の巻き上げを同乗の弟尚栄さん(47)に任せ、フックを手にタイミングを見計らった。

 見事に一発でえらに引っかけて、船に備え付けのクレーンで水揚げした。この間掛かった時間はわずか5分。血抜きなどの処理を船で手早く済ませ、氷を用意した家族が待つ港へ向かった。

 すしネタにすると1000人分超はあるという。同町諸浦の薄井港市場で熊本県八代市のいけす料理店が落札した。漁協によると、1㌔1000円台。福岡市内の市場に送って、競りに再びかける。浜さんは「新型コロナで漁業が苦しい中、市場に少しでも活気が生まれればうれしい」と話した。