絶景パノラマ ミヨチョン岳 希少植物息づく森は「島の宝」 頂上の巨大な岩 ノロの聖地から遥か島々を望む
2021/06/13 08:17

ミヨチョン岳頂上からの眺望。左奥に見えるのが加計呂麻島
奄美大島・瀬戸内町加計呂麻島の南にある請島(うけじま)は、島名に由来するウケユリの自生地として知られる。奄美群島国立公園の第2種特別地域のミヨチョン岳(標高356メートル)には、ユリ以外にも希少な植物が生息する。5月末にあった町主催の観察会で山に入ると、かれんな花々が咲き、頂上には絶景が広がっていた。
同町古仁屋から船で約50分の請島は周囲25キロ。奄美群島の有人8島の中で2番目に小さい。請阿室と池地の二つの集落に約90人が暮らす。
希少植物の盗掘防止などのため町は入山の届け出と、地元のボランティア団体「みのり会」(10人)の同行を義務付けている。今回は会員4人が約2キロの登山道を案内した。
「ほら」。山に入ってすぐ益岡一富会長(67)が、高さ約5メートルの岩場に咲くウケユリを指さした。純白の花と赤いおしべの対比が鮮やか。近くにはナゴランが木の幹にへばりつく。紫の横じまが入った白い花びらがかわいらしい。別の場所にはカシノキラン。黄色い花が密集する様子はコンペイトーのようだ。いずれも環境省レッドリストの絶滅危惧種。桜の花が寄り集まったようなサクラランも目を引いた。
道中はロープの手すりを頼らなければ登れないほどの急勾配も。約1時間かけ、たどり着いた頂上には巨大な岩が鎮座していた。眼下には加計呂麻島や徳之島まで見渡せるパノラマが広がる。
かつてノロ(女性神職)が神事を行い、島の安寧を祈っていた神聖な場所だという。益岡会長は「森は島の宝。定期的にパトロールをして、美しい自然を残していきたい」と力を込めた。
あわせて読みたい記事
-
インフルエンザ患者が5週ぶり減少、82%は19歳以下 鹿児島県内1月28日 14:00
-
県立の全寮制男子校「楠隼高」出願0.17倍 募集枠41人、8年連続で1倍未満 鹿児島1月28日 12:52
-
「社会を明るくする運動」全国作文コン 小6若林さんと中2川節さんが優秀賞1月28日 12:30
-
1人で屋久島登山の韓国人男性が行方不明 23日に登山届、24日下山予定 天候の回復待ち捜索へ1月28日 12:19
-
20年連続ありがとう…キャンプ入りのJ2清水に鹿児島県から大漁旗のプレゼント1月28日 11:54
-
捨てるなんてもったいない…廃棄する卵を麹の力で豚の飼料に 「黒麹たまご豚」でブランド化目指す1月28日 11:32
-
伝承遊び研究発表会で昔ながらのたこ揚げを体験 県民交流センター1月28日 11:00
-
買い物弱者支援へ、特産品も移動販売 薩摩川内・大馬越コミュ協が運営開始1月28日 10:00
-
雪の農業被害、鹿児島県内は19億円超す 出荷前の豆類、ジャガイモに集中1月28日 09:00
-
クンクン…たった30分で行方不明の高齢者発見、お手柄警察犬ドリルに金一封(ドッグフード)1月28日 08:30