2021/07/05 08:00

バイオジェット燃料 航空大手が調達強化 価格と安定供給がカギ ミドリムシ由来、鹿児島から初飛行

ジェット機の燃料に使われるバイオ燃料(左)。右は原料のユーグレナ油脂=霧島市の鹿児島空港
ジェット機の燃料に使われるバイオ燃料(左)。右は原料のユーグレナ油脂=霧島市の鹿児島空港
 バイオベンチャー「ユーグレナ」(東京)が開発したミドリムシ由来の国産バイオジェット燃料を使った民間機の初フライトが6月29日あり、鹿児島空港(霧島市)を離陸、羽田空港まで飛んだ。

 使用したのは今年3月に完成した「サステオ」。ミドリムシが体内で生み出す油分を抽出し、使用済み食用油と混ぜて精製した。同社は今秋、ビジネスジェット機向けの供給を始める。現在の製造コストは1リットル当たり1万円で、販売価格を200円以下に引き下げるため、年間25万キロリットル生産できる商業プラントを2025年中に稼働させることを目指している。

 CO2排出量の大幅な削減が見込めるバイオジェット燃料。2050年までに排出量を実質ゼロとする目標を掲げる国内大手航空2社も注目し、積極的に調達に乗り出している。一方で、普及には価格の高さがネックになっている。

 日本航空(JAL)は昨年2月から、丸紅やENEOSと共同で、廃棄プラスチックを含む一般廃棄物を利用したバイオ燃料の可能性を探っている。全日本空輸(ANA)は、海外からの輸入を強化。昨年10月、フィンランドの会社と調達契約を結んだ。23年から本格的に輸入し、定期便で利用する計画だ。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、木くずや藻類を原料にバイオ燃料の国産化を目指し、ユーグレナやIHIなど民間企業の技術開発を支援してきた。

 今月17日には、完成したバイオ燃料を通常燃料と混ぜ、JALとANAの羽田発定期便1便ずつで試験飛行を実施。鹿児島市七ツ島のIHIの培養施設で藻類のボツリオコッカスから作った燃料も使われた。

 今後のバイオ燃料の普及には価格と量の確保が課題となる。ANAの担当者は「現在の市場価格は従来燃料の2~5倍とも言われる。国産量もまだ限られている。いかに安定調達でき、使える価格に下がるかが鍵になる」と強調する。
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