93歳 米作り75年「父の田んぼ守る」  苗作り、除草…耕耘機も自在 「100歳まで。おやじ超す」

 2021/07/12 21:00
耕運機を操る壱崎隼人さんと次男の敏浩さん=錦江町城元
耕運機を操る壱崎隼人さんと次男の敏浩さん=錦江町城元
 鹿児島県錦江町城元の山あいにある壱崎集落で、93歳の男性が米作りに励んでいる。農業を始めて75年余りになる壱崎隼人さん。原動力は「父親から引き継いだ大切な田んぼを守りたい」との思いだ。息子の手伝いをもらいながら「体が動く限り頑張る」と今年も張り切っている。

 手掛ける田は計45アール。種から苗を育て、草刈り機で土手の除草もこなす。米は得意先に販売するほか、親族や知り合いにお裾分けする。

 6月中旬、田植えの準備に追われていた。肥料をまき、耕運機を操って土をならす。「米作りは生活の一部で楽しみ。自分で作った米はおいしい。足腰が丈夫だから続けられる」と話す。

 49歳の時、妻ツヤ子さんを亡くした。「頑張らんと」と自分に言い聞かせ、長く一人暮らしを続けていた。現在、次男の敏浩さん(60)と暮らす。

 敏浩さんは壱崎さんの面倒を見るため、7年前に大阪から帰郷。農作業を手伝いながら米作りを習い、佐多の岩場まで一緒に釣りに出掛ける。「元気すぎる父親についていけないくらい」と苦笑いする。

 長生きの秘訣(ひけつ)は、壱崎さんの父実志(みよし)さんが好きだった蜂蜜入りの焼酎という。毎晩コップ2杯のお湯割りを欠かさない。「99歳まで生きた父をまねた。昼間に体を動かしているので晩酌がおいしい」とほほ笑む。

 車の免許は昨年返納したが、まだまだ元気。「100歳まで米作りを続けて、父を超えられたら」と夢は膨らむ。