「診療所院長からパワハラ受け自殺」 元従業員の遺族が医師提訴 鹿児島地裁

 2021/07/10 06:30
鹿児島地裁
鹿児島地裁
 鹿児島県内の精神科と心療内科の院長だった男性医師からパワハラなどを受け、自殺に追い込まれたとして、元従業員の女性=当時(32)=の遺族が医師に慰謝料約2200万円の損害賠償を求める訴訟を鹿児島地裁に起こしたことが9日、分かった。医師側は請求棄却を求めて争うとみられる。

 訴状によると、女性は2015年5月から自殺した16年8月まで医師が経営する診療所で勤務。18年、過重労働で労災認定を受けた。訴状では「セクハラで性的自由が侵害された。依存性が高く、自殺企図の副作用がある薬を処方され、高圧的な態度や言動などで自殺に追いやられた」と主張している。

 医師側は「原告の主張は根拠不明で、被告の名誉を毀損(きそん)し続けている。女性はうつ病を患い、治療を望んだことから投薬を開始した。死亡は故意による不法行為や、悪意のある精神的虐待に起因するものではない」とする答弁書を裁判所に提出している。

 訴状は20年3月25日付。非公開で争点整理の手続きが進められている。

 医師は診療報酬をだまし取った詐欺の罪が確定し、厚労省が今年、業務停止3年の行政処分をした。