2021/07/15 11:52

檜皮ぶき屋根、54年ぶり全面改修 ヒノキ3000本を使用 鹿児島神宮本殿 来年2月まで作業

古い檜皮を取り除いた、ふき替え前の屋根の構造を見学する参加者=霧島市隼人町内の鹿児島神宮本殿
古い檜皮を取り除いた、ふき替え前の屋根の構造を見学する参加者=霧島市隼人町内の鹿児島神宮本殿
 霧島市隼人の鹿児島神宮本殿で、県内では珍しい檜皮(ひわだ)ぶき屋根のふき替えが進んでいる。ヒノキの樹皮を重ねていく伝統技術による全面改修は54年ぶり。来年2月まで続けられる予定だ。

 ヒノキは約30年で傷むとされ、鹿児島神宮は1756(宝暦6)年の建立以来、改修を繰り返してきた。神宮号を得てから2024年で150周年を迎えるのに合わせ、全面ふき替えを計画していたが、昨年の台風10号の影響で雨漏りがひどくなり、前倒しした。

 総工費は約1億5000万円。新型コロナウイルス下で氏子や企業から寄付を募ることは難しく、貯蓄を取り崩したという。伊賀昇三禰宜(ねぎ)=58=は「経済的に大変だが、施設の維持こそが最大の使命」と話す。

 工事は5月始まった。古い屋根材を撤去し、7月からふき替えに入った。年内で終え、屋根飾りの交換をして2月ごろ完成する。

 6月下旬にあった作業見学会では、工事を請け負う小山社寺工業所(福岡市)の檜皮ぶき職人らの「本殿90坪の屋根には樹齢100年以上のヒノキ3000本分の樹皮が必要」との説明に驚きの声が上がった。隼人町神宮6丁目の有村繁樹さん(67)は「ヒノキの少ない鹿児島で維持する大変さを知った。格式の高さを改めて感じた」と話した。

 ふき替えが終わる年末ごろにも一般見学会が予定されている。
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