2021/07/20 07:26

消えた白線、狭い道幅…歩いてみた通学路「大人も怖い」実感 千葉の事故受け情報続々 鹿児島

ガードレールのない通学路を下校する児童=鹿児島市川上町
ガードレールのない通学路を下校する児童=鹿児島市川上町
 千葉県八街市で下校中の小学生5人が大型トラックにはねられ死傷した事故を受け、南日本新聞の「こちら373」が鹿児島県内の通学路の危険箇所を尋ねたところ、離島を含む県内各地から約40件の情報が寄せられた。登下校の時間帯に現地を歩くと、住民の心配が実感できた。

 道幅の割に車の数が多い。最も狭い所で幅3.5メートル。ガードレールがないところもあり、路側帯を示す白線はほぼ消えている。車から距離を取ろうと、ランドセルを壁にこすりつけるように歩く児童も。付き添って通学する保護者もいた。

 記者が歩いたのは、霧島市国分清水1丁目の弟子丸公民館から県道北永野田小浜線に合流する約350メートル。国分北小学校と国分中学校の通学路だが、ラッシュ時の抜け道となっているようだ。何度か往復していたら、クラクションを鳴らされた。

 近くの横山とよ子さん(64)は「周辺は住宅が増え、車も多くなった。大人でも危ない。いつか子どもが事故に遭わないかひやひやする」と心配する。

 鹿児島市川上町の川上小学校周辺は複数の情報があった。道路幅に比べ通行量が多く、ガードレールどころか歩道のない場所も少なくない。同校によると、2017年に児童が車と接触し、けがをする事故があった。

 千葉県の事故を受け、同校は(1)目立つように紅白の帽子を赤にしてかぶる(2)路側帯から出ない-ことなどを児童に徹底した。佐々木幸男校長(60)は「これまでも道路拡幅やロードミラー設置などを市に要望してきた。PTAや町内会と協力し、安全対策に努める」と話す。

 「こちら373」にはこのほか鹿屋市、薩摩川内市など各地のさまざまな情報が寄せられた。

 「長年の要望でやっと横断歩道ができたが、信号機は整備されず、車が止まってくれない」「歩道を示す白線が消えている」など具体的な指摘のほか、「毎年のように改善を要望するが、なかなかされない」といらだつ声もあった。

 千葉の事故後、南日本新聞が県内の全43市町村教委に取材した結果、学校側が7月上旬までに改善を要望した通学路の危険箇所は814カ所。道路を管理する自治体は「予算の問題から、危険度の高い場所から少しずつ対応するしかない」ともどかしさを明かす。

 菅義偉首相は全国に通学路の総点検を指示した。取材では、児童の列のすぐ近くを車が行き交う場面を何度も見た。整備費がかかる対策を待つだけでなく、見守りを強化したり、車両の通行規制を広げたりするなど、ソフト面の対応が急務だと痛感した。