2021/08/01 21:00

西南戦争で「密通」本当? 薩軍の曽祖父 140年前の最期を検証 7人の「ひ孫の会」が出版

西南戦争に絡む曽祖父の歴史を調べて本にまとめた竹添洋三さん=姶良市西姶良1丁目
西南戦争に絡む曽祖父の歴史を調べて本にまとめた竹添洋三さん=姶良市西姶良1丁目
 西南戦争(1877年)で犠牲になった高尾野(現鹿児島県出水市)の士族・竹添六郎の「ひ孫の会」が、六郎の最期を検証した「繋(つなぐ)、つなごう-もうひとつの西南戦争-」を自費出版した。

 「官軍への密通により殺害された」とする高尾野町郷土誌の記述に疑問を抱き、5年がかりで調査。ひ孫の会の7人のうち、姶良市西姶良1丁目の竹添洋三さん(73)が中心となった。

 郷土誌は薩軍兵士の供述書が基になったとみられ、一方で六郎を薩軍戦死者として記した資料の存在も明らかになった。会代表の竹添隆志さん(88)=長崎県佐世保市=は「密通の真偽は分からないと、地元で知ってほしい」と語る。

 書籍では当時の鹿児島にも中立派や非西郷派がおり、戦争に協力しない者には弾圧が繰り返された実態を、市町村史などの資料を丹念に調べて紹介。六郎は、薩軍への不満をそらすためのスケープゴートにされたとみる洋三さんは「暴力や権力を使った同調圧力の怖さは、今日的な問題と重なる」と話す。

 224ページ。県内の主な図書館に寄贈する。竹添洋三さん=080(1907)0242。
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