2021/08/01 10:00

【世界自然遺産を歩く 徳之島】夜の照葉樹林 恐竜? よちよち歩きのオビトカゲモドキ 隠れたつもり? クロウサギ 斜面でじっと

恐竜のようなりりしい顔で、よちよち歩く姿が愛らしいオビトカゲモドキ=徳之島町母間
恐竜のようなりりしい顔で、よちよち歩く姿が愛らしいオビトカゲモドキ=徳之島町母間
 「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」が、世界自然遺産に登録された。鹿児島、沖縄県の4島に広がる照葉樹林では、大陸から取り残されて独自の進化を遂げた多様な動植物が、太古から命をつないできた。世界がその価値を求めた徳之島の神秘の森を歩いた。

 シイノキ、ホルトノキ、タブノキ…。多様な照葉樹が日光に当たろうと斜めに伸び、緑のトンネルを作っていた。森に入るまでの突き刺すような強い日差しとは一転、ひんやりとした心地よい空気が肌にまとわりつく。7月上旬、自然保護活動を続けるNPO法人「徳之島虹の会」の松村博光さん(74)の案内で徳之島町大原から天城町三京(みきょう)へ向かう林道を歩いた。

 林道の門をくぐり、まず目に飛び込んだのが照葉樹のオキナワウラジロガシ。板状に伸びた板根(ばんこん)が波打ち、どっしりと大木を支える。堂々とした姿に圧倒されていると、近くをアカヒゲが通り過ぎた。松村さんは「姿だけでなく、鳴き声もとても美しい鳥」と目を細める。

 夜は徳之島虹の会の池村茂さん(65)の案内で徳之島町山(さん)の林道に入った。最初に出会ったのは、オビトカゲモドキ。恐竜のようなりりしい顔で、よちよち歩く姿が愛らしい。ゆっくり車を進めると、斜面の草むらでアマミノクロウサギがじっとしていた。「あれでも隠れているつもり」と池村さんが笑う。

 林道を抜けると特産のサトウキビが葉を茂らせ、人家の明かりがともる。人の暮らしのすぐそばに自然が広がる。それが徳之島だ。(中)
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