2021/08/17 11:00

高齢者住宅で子ども食堂 野菜作り、調理…宅配弁当も 93歳「やることある。生活楽しい」 介護予防に一役 鹿児島

子ども食堂のスタッフへ中学生とまかない食を作る高齢者住宅の入居者=いちき串木野市生福
子ども食堂のスタッフへ中学生とまかない食を作る高齢者住宅の入居者=いちき串木野市生福
 いちき串木野市生福のNPO法人「中井原笑楽園」は、昨春始めた共同住宅に入居する高齢者の介護予防と自立支援に力を入れている。敷地内にある農園での畑仕事や収穫した野菜を活用した弁当の販売、子ども食堂を通し、地域住民との交流も深まり始めている。

 「こうやって両手でギューと絞るんだよ」。7月25日に開かれた子ども食堂。共同住宅に暮らす高齢者が、中学生へサラダに使うニガウリの水の切り方を教えていた。毎月第4日曜に開く子ども食堂では、スタッフとボランティアが食堂で出す食事を作り、入居者はまかない食を担っている。

 この日、手伝いにきた中学生2人は、もともと同法人が共同住宅隣で運営するレストランの客。管理者の小林優子さん(58)は「ボランティアに来てくれる若者との交流が介護予防につながる」と説明する。

 共同住宅は2020年5月に開所し、現在60~90代の5人が住む。入所前は全員独り暮らしだった。スタッフは常駐しているが、家事は可能な限り入居者がする。食事も交代で作っている。

 施設の隣にある農園では、デイサービスの利用者とともにニンジンやキュウリなどの野菜を栽培、収穫している。野菜はレストランの料理や宅配用の弁当、そして、子ども食堂で使われる。

 入居者の穂満ミチさん(93)は2月にけがなどで一時入院。病院では日常生活に介護が必要な状態にまで悪化した。しかし、退院後は主治医の指導を受けながら畑仕事や料理当番もこなせるまで回復している。「みんな仲良しで、やることもある。ここでの生活は楽しい」と笑う。

 地域との交流も増えている。宅配用弁当の準備や配達を手伝う住民の輪もできてきた。7月25日の子ども食堂には約20人が駆け付け、弁当100食をさばいた。小林さんは「利用者と次世代の人たちとの触れあいをより一層広げていきたい」と話した。
広告
広告