2021/08/29 10:00

疎開船「対馬丸」沈没77年 犠牲児童ら1500人悼む 遺体漂着の奄美・宇検村で慰霊祭

慰霊碑に花を供え、犠牲者の冥福を祈る参列者=28日、宇検村宇検
慰霊碑に花を供え、犠牲者の冥福を祈る参列者=28日、宇検村宇検
 太平洋戦争中、十島村悪石島沖で米潜水艦の魚雷攻撃を受け、沈没した学童疎開船「対馬丸」の犠牲者約1500人の慰霊祭が28日、多くの遺体が漂着した宇検村宇検の船越(ふのし)海岸であった。地元住民ら15人が犠牲者を悼み、平和への誓いを新たにした。

 2017年に住民らが慰霊碑を建立して以来、集落主催で毎年開いている。昨年に続きコロナウイルス感染防止のため集落役員らだけで営んだ。式典で植田英吉区長(66)は「辛苦の中で命尽きていった犠牲者を思うと今も胸が痛む。冥福を祈ります」とあいさつ、参列者が献花した。

 対馬丸は1944(昭和19)年8月22日、沖縄から長崎へ航行中に沈没。犠牲者のうち千人余りは疎開児童ら幼い命だった。多くの遺体が奄美大島に漂着し、21人が救助されたとされる。

 当時、遺体の埋葬をした大島安徳さん(94)は「記憶がよみがえり胸が締め付けられる。二度と繰り返さないために悲劇を語り継ぎ、戦争のむごさと平和の尊さを訴え続ける」と語った。
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