脱サラ農家、カレーな転身 コロナ禍で売れない野菜を活用 キッチンカーでファン開拓

 2021/09/09 20:44
カレーを販売するキッチンカー=霧島市国分重久
カレーを販売するキッチンカー=霧島市国分重久
 東京から移住し、霧島市で農園主になった嶋野教宏さん(54)は新しい道を進み始めた直後、新型コロナウイルス感染拡大に見舞われた。あてにしていた飲食店への出荷は激減。一計を案じたのがカレーのキッチンカーだ。農作業に調理、販売とフル稼働で踏ん張る。

 東京の大手飲食企業のバイヤーだった。仕入れでたびたび出張した霧島市にほれ込み、自社農園プロジェクトを提案。溝辺の遊休農地を譲ってもらい、近隣農家に指導を仰ぎながら準備を進めたが、本社方針で中断が決まる。「でも、多くの人に助けられた農園に思い入れがあった」

 2019年10月、会社を辞め、自ら運営に乗り出した。関東への出荷を前提に、化学肥料も農薬も使わず、黄色いトマトや、ジャンボオクラ、白や紫色のニンジンなど珍しい品種を作り始めた。その矢先、注文が止まる。育っていく野菜を生かすため今夏、カレーのキッチンカーを開業した。

 調理場付きの拠点を構え、前に止めたキッチンカーで販売する。バイヤーになる前の料理人経験が生きるカレーにはリピーターがつき始めた。サラダのドレッシングも自家製だ。「体にいい食材という自信はある。レトルト商品の開発もしてみたい」

 コロナの波にもまれながら次の策を練る。キッチンカーの場所は国分重久664(午前11時~午後2時。不定休)。カレー3種、サラダ付き700~800円。