協力金なし 得意先は時短、酒類提供停止 「仕事するなと言われたようなもの」繁華街の生花店悲鳴 新型コロナ・鹿児島

 2021/09/10 20:50
仕入れを控えている生花店内=9日午後3時半、鹿児島市山之口町の「フラワーメイトQ」
仕入れを控えている生花店内=9日午後3時半、鹿児島市山之口町の「フラワーメイトQ」
 鹿児島県に適用中の新型コロナウイルス「まん延防止等重点措置」が継続され、鹿児島市は引き続き対策強化区域となることが9日決まった。営業時間短縮と酒類提供の停止の要請は変わらず、スナックやラウンジを得意先とする繁華街の生花店は「まだ続くのか」と悲鳴を上げる。

 9日午後3時半、スナックなどが軒を連ねる鹿児島市山之口本通り沿いの生花店「フラワーメイトQ」では、スタッフが黙々と花の手入れをしていた。コロナ前なら、スナックなどに届ける準備に追われている時間帯。オープン約20年で初めて経験する閑散さに、衣旗(きぬはた)学さん(34)は「手を休める暇もなかった頃が昔のよう」とこぼした。

 顧客の大半はスナックなどの客と従業員。「夜の店の多くが休業している今、仕事をするなと言われているようなもの」と嘆く。取材した約2時間で、訪れた客は顔見知りの店主1人。一日に2~3組の日々が続いている。

 仕入れを8分の1に減らし、16種ほどそろえていた人気のバラも今は6種だけ。長持ちさせようと熱心に手入れするが、8割は廃棄している。「捨てられる花がかわいそうで見ていられない」。仕入れを担当する父親の昇さん(73)は売れ残る花を見るのもつらく、最近は店頭から足が遠のく。

 飲食店と違い、生花店には時短営業に伴う協力金はない。「街は一体。行政は飲食店と共存している生花店などの苦境を分かっていないのか」。衣旗さんは怒りをにじませ、「同じ補償をしてとは言わないが、ないがしろにしないでほしい」と訴えた。

 同市吉野町の鹿児島花市場も長引くコロナ禍の影響を受けている。葬儀の規模縮小で、切り花の取扱量の約7割を占めるキク類の生産が減り、単価も落ちているという。

 業務課の野中忍課長(53)は「今年もだぶつきが続いている。かき入れ時の盆時期も台風や長雨が重なって厳しかった。出口が見えない」。仲卸業の中間智憲さん(48)は「ブライダル向けを得意とする花屋もだいぶ厳しい」と話した。
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