イノシシ、シカ増えてます 推定数 長期的には減少傾向へ 減った鳥獣被害額 2割減の4.5億円 鹿児島県内・20年度

 2021/10/04 09:00
 鹿児島県の2020年度の調査で、有害鳥獣のイノシシ、シカの推定個体数は、前年度よりそれぞれ4000頭、8000頭増えたことが分かった。農林業への鳥獣被害額は前年度比22%減の4億5816万円だった。

 県自然保護課によると、ふんの数や捕獲数に基づき一定範囲内の生息密度を推測して算出される個体数はイノシシ、シカとも増加。イノシシは前年度より4000頭増えて5万5000頭、シカは8000頭多い4万6000頭だった。

 鳥獣被害を減らすため、県はイノシシやシカの管理計画を策定。23年度までにイノシシを3万4000頭、シカを2万8000頭まで減らすことを目指す。

 達成に向け捕獲を進めており、20年度の実績はシカが2万3813頭で目標を7000頭近く上回った。一方、イノシシは、目標より約1万3000頭少ない2万9294頭にとどまった。

 推定個体数が増えたことについて、自然保護課は「長い期間でみると減少傾向だ。引き続き捕獲に努める」と話した。

 県農村振興課によると、農業被害は3億9665万円で前年度比25%減。19年度に被害が大きかったヒヨドリによる食害が大幅に減ったことや侵入防止柵の設置が進んだことが要因とみられる。

 イノシシの被害が全体の49%を占め、1億9496万円(前年度比14%減)。水田で稲を踏み荒らしたり、イモ類を掘り返し食い荒らすケースが目立った。シカは16%の6389万円(同26%減)で、イモや飼料作物の食い荒らしが多かった。ヒヨドリやカラス、サルによるかんきつ類や野菜への被害もあった。

 県森づくり推進課によると、林業被害は6151万円(同2%減)。シカによるものが9割以上。北薩や姶良を中心に、角をこすりつけてヒノキなどの皮がはがれ、枯れや品質の低下を引き起こすほか、植林用の苗木を食べる例があった。

■ただいま鳥獣被害防止月間 10月までの2カ月間 

 鹿児島県は、野生鳥獣による農業被害額が大きい水稲やサツマイモの収穫期を迎える毎年9~10月を「鳥獣被害防止運動強化月間」と定めている。県農村振興課はホームページやパンフレットを通し「集落ぐるみで、野生鳥獣を寄せ付けないよう取り組んで」と呼び掛ける。

 被害を防ぐには、鳥獣のえさ場や隠れ場所をなくし、人慣れを避ける必要がある。具体的には、(1)畑の収穫後の残りかすを除く(2)荒廃農地や茂みを解消する(3)音を立てて追い払う-などを例示。侵入防止柵が破損していないか点検することも求めている。
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