上白石萌音さん 初のエッセー集「いろいろ」 故郷・鹿児島や生い立ち 自然体で多彩に

 2021/10/11 12:10
上白石萌音初のエッセー集「いろいろ」の表紙
上白石萌音初のエッセー集「いろいろ」の表紙
 俳優、歌手、ナレーターなど幅広く活動する上白石萌音さん(鹿児島市出身)が、初エッセー集「いろいろ」を出版した。何気ない日常の思いをつづったエッセーや創作短編のほか、鹿児島県内ゆかりの地や生い立ちを振り返る企画など、自然体で多彩な内容となっている。

 50編のエッセーは「歌う」「演じる」「生きる」「懐かしむ」といった動詞をキーワードに、自らの胸の内をありのままにつづる。学生時代の思い出や降灰の後に降った雨の匂いなど、故郷にちなんだ話題も交えた。「わたしがいた風景~鹿児島小旅行リポート」と題したコーナーでは、県内を巡り撮影した写真を紹介。文章も故郷や家族への愛着がにじむ。

 「エッセーをつづっていると、たくさんの楽しいこと、うれしいこと、つらいことなど、本当に『人生いろいろだな』と言える経験を思い出しました」。経験すべてを込めようと考え「いろいろ」と名付けた、と説明する。

 文章は「鹿児島弁で考え、身内に打ち明けるように」書いたという。「標準語では言えないことでも、方言だったら言えることがある。(鹿児島弁だと)ありのままになれる感覚があると、執筆の途中で気付きました」

 発売後即重版がかかるなど、好評を博しているという。NHK出版刊。四六判上製、オールカラー226ページ。1980円。電子書籍版あり。

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