2021/10/12 20:51

自民、公認争いのしこりは根深く 衆院選鹿児島1区 敗れた保岡氏支援者「選挙区は白票」

 次期衆院選の公示が迫る中、鹿児島1区で自民党支持層がまとまりを欠いている。党公認で立候補予定の現職宮路拓馬さん(41)=比例九州=と、比例九州から立候補予定の新人保岡宏武さん(48)の公認争いが長引いた影響が影を落とす。しこりは根深く、保岡さんの支援者には「選挙区は白票も」といった声もあり、当落を左右する比例名簿順位の行方に気をもむ。

 9日、鹿児島市のホテルであった自民党県連の会合。宮路さんと保岡さんも顔をそろえた。それぞれマイクを握り、宮路さんが「保岡宏武さんと一つになって協力し、1区の議席奪還に向けて死力を尽くす」とアピール。保岡さんは、8月末に上京した際、党幹部に宮路さんを支える決意を述べたといい、「その思いに一点の曇りもない」と応じた。

 4年近くに及んだ公認争いが決着した8月下旬以降、友好団体も県連の決定に沿って推薦を決めるなど挙党態勢の構築に向けた動きが出始めた。ただ水面下では「一枚岩とは到底言えない」との見方がもっぱらだ。県議や市議からも「信頼関係を築くには時間がかかる」「県連の決定が遅すぎた」と複雑な声が漏れる。

 「保岡さんの気持ちは察するに余りある」。宮路さんも事あるごとに配慮を示すが、保岡さんの父・故興治さんから支えてきた友好団体幹部はそう簡単に割り切れない。「これまで『比例は公明』と言ってきた。比例では宏武君の名前すら書けない。(宮路さんは)勝手にやって来て、前からいた人を押し出した」とこぼす。

 中でも興治さんの出身地・奄美ゆかりの支持者らからは「選挙区は白票」との声もささやかれる。自宅に宏武さんのポスターを貼る郷友会関係者は「あんな決定が出てがっかり。厳しい離島の事情を知る国会議員が必要。宏武さんと書けないなら、選挙に行かない人が出てくるかもしれない」。別の出身者も「みんな、いい思いはしていない」と明かす。

 1区では立憲民主党の現職川内博史さん(59)が立候補予定で、与野党の一騎打ちとなる見通し。ある県議は「白票ならまだいい。川内さんに流れるのが怖い」と心配する。

 県連の森山裕会長は今月6日、保岡さんを連れて甘利明幹事長ら新執行部を訪問。名簿順位での配慮を求めた。9日の会合後の会見でも「正しい理屈の上では(保岡さんの名簿順位が)上位に登録してしかるべきだ」と強調した。

 保岡陣営関係者はいう。「順位が下位となれば、自民党への不満が一気に噴き出すかもしれない。逆流をせき止める努力はするが、自信はない」
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