コロナ軽症者向け薬に期待 第6波控え「病床不足改善」「選択肢増えた」 抗体カクテル、ソトロビマブ 特例承認

 2021/10/18 21:06
抗体カクテル療法の薬剤イムデビマブ(左)とカシリビマブ。二つの薬剤を点滴投与する
抗体カクテル療法の薬剤イムデビマブ(左)とカシリビマブ。二つの薬剤を点滴投与する
 新型コロナウイルスの軽症者向け治療として、7月に「抗体カクテル療法」、9月に「ソトロビマブ」が厚生労働省の特例承認を受けた。いずれも重症化リスクの高い患者が対象で悪化や死亡を防ぐ目的で使われる。鹿児島県内の医療関係者は、懸念される感染拡大「第6波」で医療提供体制逼迫(ひっぱく)の軽減につながればと期待している。

 両治療薬はウイルスの細胞内への侵入を防ぐ中和抗体薬。点滴で投与する。中等症や軽症者のうち、50歳以上であることや喫煙者、体格指数(BMI)が30以上の高度の肥満、高血圧など重症化リスクが高い要素を持つ人が対象となっている。

 「できるだけ早く投与することで、より大きな効果が期待できる」と話すのは、米盛病院(鹿児島市)の救急科の伊藤寿樹医師。同院は9月9日までに40~90代の19人へ抗体カクテル療法を実施した。投与後の症状悪化や死亡したケースはなかったという。

 県内では医療機関への負担軽減を目指し、9月10日から軽症者向け治療を行う宿泊療養施設「中間治療施設」を開所。抗体カクテル療法も実施している。厚生労働省によると、ソトロビマブは5日時点で全国約40例ほど使用実績がある。都道府県別の内訳については非公表となっている。

 「病院以外の施設で軽症者向けの治療が行えるようになり、病床が足りないという状況の改善が期待できる」。重症化リスクが高い感染者を中心に受け入れている鹿児島市立病院の籾博晃・呼吸器内科部長は説明する。「長期的な評価はこれからだが、早期に治療できる選択肢が増えたのは望ましい」と語った。
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