2021/10/14 09:07

馬毛島基地計画 民意は?衆院選に両派注目 賛成派「4年前以上の差で勝利を」 反対派「種子・屋久全体で上回る」

 馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備計画を抱える西之表市で、計画賛成、反対両派は次期衆院選が民意をうかがい知る機会になると捉える。1月の市長、市議会議員選挙に続く“第3ラウンド”との位置付けだ。事実上の選挙戦に突入する14日の衆院解散を前に、民意を巡る綱引きが始まっている。

 西之表市を含む鹿児島4区には、自民現職の森山裕さん(76)、社民新人の米永淳子さん(58)、「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」新人の宮川直輝さん(48)が立候補の意向を表明。計画について森山氏が推進、米永氏は反対の立場を打ち出している。

■思 惑

 防衛省はこの1年余りでボーリング調査や環境影響評価に着手。島内の管理用道路の入札も終えるなど計画実現に向けた動きを次々と見せる。

 本年度事業で隊員宿舎の用地選定を進める防衛省方針もあり、賛成派は衆院選の余勢を駆って誘致へ市民の後押しを得たい考えだ。

 前回の2017年衆院選は森山さんが西之表市で7割の票を獲得し、社民新人を圧倒。今回も対決構図が重なり、杉為昭市議は「4年前と同等か、それ以上の票差で当選させなければ」と語る。

 防衛省の動きに歯止めを掛けたい反対派は、活動の中心的役割を担う市民団体が米永さんと政策協定を結んだ。戸別訪問や街宣活動を重ね、草の根で現職の組織力に対抗する。

 「住民を分断するような国の進め方に問題提起したい」と長野広美市議。「種子島と屋久島全体で米永さんの得票が上回ることが重要だ」と訴える。

■ねじれ

 計画の是非が最大の争点だった市長選は、反対を掲げた八板俊輔市長が僅差ながら再選を決めた。一方、同日の市議選当選者の総得票数を見ると、賛成派が反対派を上回った。民意がねじれた状況に「どちらが正しい、優勢とはまだ言い切れない」と困惑する市民もいる。

 民意を引き寄せたい両派にとって、投票率も気になるところだ。市長選と市議選の70%台に比べ、直近3回(17、14、12年)の衆院選は50%台。両派の関係者は「暮らしや市の将来に関わる問題として馬毛島を考えてほしい」と口をそろえる。

 八板市長は「候補者がどんな主張をするかによるが、馬毛島問題が得票数に影響することはあり得る」とし、有権者の判断に関心を寄せる。