【令和決戦の構図・衆院選鹿児島4区】社民 女性票掘り起こしへ 自民 得票率アップ目指す

 2021/10/19 09:35
 「鹿児島から女性の国会議員が誕生したことはありません。女性の声を政策に反映することで、住みやすい社会ができるはず」

 9月下旬、霧島市国分の市街地。社民新人の米永淳子氏(58)は拡声器を手に訴えた。福島瑞穂党首と並び、市内3カ所で街頭活動を実施した。党首は再三、選挙区入りし「鹿児島や日本の政治を女たちで変えるうねりを起こして」と激励する。

 7月に発足した女性有志らによる応援団「みつばちの会」も米永氏を支える。メンバーが各地で「群れ」をつくり、チラシ配布や街頭活動を自主的に展開する。

 連合鹿児島は9月に入り、米永氏の推薦を見送り「当選に向けた支援」とすることを決めた。「出身単組がなかったのが理由の一つ」と陣営関係者。推薦願提出から既に約1年が経過していた。労働組合の個別協力を求める中、女性応援団は大きな力になっている。

 社民県連合の川路孝代表(74)は新型コロナウイルス対応などを踏まえ「政権への反発を口にする自民支持者もいる。手応えはある」と語る。陣営は鹿屋、霧島など6地区に後援会を組織済みだ。今後も各自治体での立ち上げを目指す。

 自民前職の森山裕氏(76)は、4年余り務めた党国対委員長の役目を終え、衆院解散翌日の15日から地元で臨戦態勢に入った。関係者へのあいさつ回りに早速出掛け、17日は米永氏の出身地である肝付町で住民と語る会に参加した。

 「今回だけは日本で1番の得票率で押し上げてほしい。得票率のためには投票率を上げることが大事だ」。2日、鹿屋市であった後援会本部事務所開きで、中村忠徳後援会長は約160人の参加者に力強く呼び掛けた。

 選対会議や事務所開きで、関係者は口をそろえて「得票率」と「投票率」に言及する。全国上位の常連となった得票率は前回70.7%。だが最近は83.1%、79.0%と低下傾向にあるのも事実で今回は「75%」(陣営幹部)を目標に掲げる。

 区割り変更で前回加わった大票田・霧島市は準備期間が短かったこともあり、得票率が選挙区内最低の63.2%どまり。陣営の関係者は「目前だった党三役が総裁選で少し遠のいた。政治家として集大成の時期にあり、地元としては文句なしの結果で国会へ送り出したい」。霧島票は3万3000票から1万票の上乗せを目指す。

 陣営は、50%台にとどまる投票率を上げれば、得票率の好結果につながるとみる。今回は会員制交流サイト(SNS)での情報発信も初めて取り入れた。

 前回と同じ自社対決が見込まれた中、さいたま市の土木建設会社社長でNHK党新人の宮川直輝氏(48)が立候補を9月に表明。政見放送の時間確保などを理由に、党の方針で東京12区から移った。

 霧島市に拠点を移し、選挙態勢を整える。「厳しい戦いが予想されるが、選挙は勝つためだけではない。訴えが1人でも多く届けば」と話す。

 衆院選はきょう19日に公示される。21日の衆院議員任期満了を越える異例の短期決戦は既に過熱しており、波乱含みだ。
=おわり=
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