〈詳報〉鹿児島大生犠牲の飲酒事故 ひき逃げ「起訴相当」議決 検察審「直ちに停止せず、降車後も救護への言動なし」 

 2021/10/20 10:15
事故後、花が手向けられていた事件現場=鹿児島市大竜町の上本町交差点
事故後、花が手向けられていた事件現場=鹿児島市大竜町の上本町交差点
 鹿児島市大竜町の国道10号で2月、近くの鹿児島大学1年の男子学生(20)が飲酒運転の車にはねられ死亡した事件で、姶良市平松、建設作業員の被告(26)=自動車運転処罰法違反(危険運転致死)などの罪で起訴=を道交法違反(ひき逃げ)容疑で不起訴とした鹿児島地検の処分について、鹿児島検察審査会が「起訴相当」と議決したことが19日、分かった。

 議決は15日付。審査会は議決理由で、事故を起こした時点で負傷させた事実を認識したとして「直ちに停止することなく、降車後も救護に向けた言動は全く見られなかった。救護義務違反が成立することは明らか」と指摘した。不起訴は不当として、遺族が7月21日付で申し立てていた。

 県警と地検によると、被告は2月9日午前5時49分ごろ、男子学生をはねた後、約300メートル離れた交差点で信号待ちの乗用車に追突し、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕された。さらに自動車運転処罰法違反(過失致死)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで再逮捕され、ひき逃げ容疑は3月、不起訴となった。

 遺族の代理人弁護士は「適切な判断に感謝している。公判中なのでそちらに集中したい」とのコメントした。地検の武藤雅勝次席検事は「審査会の指摘を踏まえ、必要な再捜査を行った上、適切に処理したい」としている。

 地検が改めて不起訴処分などにした場合、審査会が再び審査を行い、起訴議決をすれば強制起訴となる。