再エネは何%、気候変動対策は? 候補に直でぶつけた質問。「若者の政治離れ」と言う社会に、声を上げて立ち上がる【U30のまなざし 衆院選鹿児島】

 2021/10/21 09:00
立候補予定者の政策を比較し、質問内容を考える中村涼夏さん(右)=6日、鹿児島市
立候補予定者の政策を比較し、質問内容を考える中村涼夏さん(右)=6日、鹿児島市
■鹿児島大・中村涼夏さん(20)

 「再生可能エネルギーを何%導入していきたいか」「鹿児島独自の気候変動対策は」-。鹿児島大学水産学部2年の中村涼夏さん(20)は、衆院鹿児島1区から立候補した2人と公示前、それぞれの事務所で向き合い、気候変動を抑えるための政策を尋ねた。

 事前に調べた2人のホームページに具体的な政策は載っていなかった。「直接聞くと考えを持っていることが分かった」。でも「今のままでは温暖化対策は間に合わない」とぶつけると、1人は「国民の意識改革が必要だよね」と返した。「そうじゃない。必要なのは国の政策なのに」。危機感が残った。

 気候変動対策の強化を求め、2019年10月に発足した「未来のための金曜日(FFFJ)」の中心メンバー。これまでの活動を通してつながった全国の同世代と今月、「#選挙で聞きたい気候危機」実行委員会を立ち上げた。候補者に直接聞いた政策の中身や感想を会員制交流サイト(SNS)で発表していく。政策を実行してもらうのが目的だ。

 署名活動、環境相との面会、SNSでの情報発信…。この2年間、現状を変えようと声を上げ続ける。4月には衆院環境委員会に参考人として出席した。菅義偉首相(当時)が気候変動サミットで表明した「30年度の温室効果ガス排出を13年度比で46%削減」目標に、「50年までに実質ゼロにするには全然足りない」と批判した。

 活動を駆り立てる原点は5歳まで過ごした種子島の豊かな自然だ。その後暮らした名古屋市との違いに衝撃を受け、生態系保全に興味を持った。金曜日に学校を休んで温暖化防止を訴えたスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(18)の言葉「あなた方は子どもたちを愛していると言いながら、目の前でその未来を奪っている」が背中を押す。

 若者の政治離れが言われて久しい。興味がないわけではなく、接点を感じられないから政治から離れていくとみる。「私の場合、環境問題が政治との接点。関心があることに絞って政策を見れば政治はグッと身近になる」

 グレタさんにならい、金曜日に大学を休み、これまで4回、鹿児島中央駅前で「スタンディング」をした。プラカードには「気候危機、見て見ぬふりはもうできない」「声上げてもいいんだよ」と記す。1人で立ち続けた日もあったが、支えてくれる仲間もいる。

 「生きやすい社会に変えていきたい。脱炭素社会へ、みんなで声を上げ続けないと」。50年後、100年後を見つめる。

取材後記・政治家は歩み寄る姿勢を

 21年から自然・環境分野を取材している。中村さんの「接点を感じられない若者が政治から離れていく」という言葉に共感した。若い世代ほど気候変動の影響を受けやすいが、環境保護活動の取材で会うのは年配者が多い。若者の声を引き出し、政治とつなぐ手助けができればと思った。政治に若者が何を求めているのか、政治家には理解しようと歩み寄る姿勢を求めたい。(中野あずさ、1994年生)



 若者の目に政治の世界はどう映り、どんな思いを抱えているのか。31日投開票の衆院選を前に、30歳以下の南日本新聞記者が鹿児島県内の同世代に会い、そのまなざしを追った。