〈衆院選神奈川13区〉自民・甘利幹事長破った太栄志さん 鹿児島・知名町出身 44歳、原点は西郷隆盛の「無私の精神」

 2021/11/02 11:00
神奈川13区で自民の甘利明幹事長を破り初当選した太栄志さん=1日、神奈川県大和市
神奈川13区で自民の甘利明幹事長を破り初当選した太栄志さん=1日、神奈川県大和市
 衆院選神奈川13区で自民幹事長の前職甘利明氏(72)を破った立憲民主新人の太栄志(ふとり・ひでし)さん(44)は沖永良部島の知名町出身だ。同島に流された西郷隆盛の「無私の精神」が政治家を志した原点。投開票翌日の1日も街頭に立ち、「厳しい国民生活を安定させるため地道に努力する」と誓った。

 知名町の田皆中学校かられいめい高校(薩摩川内市)に進学。中央大学・同大学院で政治学を学び、国会議員事務所に入った。公設秘書などを務めた後に単身渡米。2009年から大学やシンクタンクで外交安全保障を学んだ。

 17年の前回衆院選で同区から立候補。初の国政挑戦は甘利氏に大差で敗れた。この4年間つじ立ちやミニ集会を重ね、草の根で支持を広げた。今回の勝利を「森友・加計学園や甘利さん自身の現金授受問題などで説明責任を果たさない自民への批判が根底にある」と分析する。

 両親や親類が住む沖永良部島は、中国の海洋進出が進む南西諸島防衛の最前線。「安心して暮らせる古里にするため、日米での経験を生かしたい」と力を込めた。