イプシロン 5機連続成功 最多9衛星を予定軌道に投入 JAXA、3度の延期後 鹿児島・内之浦宇宙空間観測所

 2021/11/09 09:55
上昇するイプシロンロケット5号機=9日午前9時55分、肝付町の内之浦宇宙空間観測所
上昇するイプシロンロケット5号機=9日午前9時55分、肝付町の内之浦宇宙空間観測所
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9日午前9時55分、地上レーダー設備の不具合などで3度延期していた固体燃料ロケット「イプシロン」5号機を、鹿児島県肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げた。搭載する9衛星をすべて予定軌道に投入し、イプシロン初号機から5機連続成功となった。

 5号機は全長26メートル、重さ96トン。鹿児島工業高等専門学校をはじめ全国の10高専が共同開発した「KOSEN-1」など最多9衛星を載せた。大学や民間企業を対象にしたJAXAの「革新的衛星技術実証プログラム」の第2弾。

 打ち上げは当初10月1日を予定。機体の位置や速度を計測する地上レーダーに、ケーブル接続部の緩みと接触不良が原因の不具合が起き、発射約19秒前に緊急停止した。同7日は強風などの影響で発射約20分前に中止。11月7日も天候不良が予想され延期していた。

 9日は、JAXAの星出彰彦飛行士らを乗せ、国際宇宙ステーションから地球に帰還するクルードラゴン2号機の飛行に影響がないよう発射時刻を午前9時51分から4分ずらした。

 イプシロンの打ち上げは2019年1月以来。初号機から4機連続で成功していた。

 【固体燃料ロケット】燃料と酸化剤を混ぜて固めた推進薬を使う。打ち上げまでの準備にかかる時間が短いほか、部品数が少ないため信頼性が高く、費用も安い。一方で出力を調整しやすい液体燃料型と比べて姿勢の制御は難しい。イプシロンは小惑星探査機「はやぶさ」などを打ち上げた固体燃料型の「M5」の後継機で、現在主力の液体燃料型ロケット「H2A」よりも小型の全長26メートル。