定員割れでも頑張ってます 鹿児島の農業系高校 実習成果収入が年間3億円超 畜産関連が7割、「王国」反映

 2021/11/28 21:10
 鹿児島県内の農業系高校は、実習で牛、豚、鶏といった家畜や、野菜、花などを生産し、生産物や地域の特産品を使った食品加工も手掛ける。県立高校10校が実習成果を販売した収入は近年、3億2000万円程度。畜産王国という地域性を反映し、畜産関連が7割を占める。生徒たちは日々、生き物の世話や商品開発にいそしむ。

 県教育委員会によると、実習で育てた家畜や野菜、花などと加工品を合わせた販売額は、2016年度から20年度まで2億9175万円、3億1392万円、3億2379万円、3億2163万円、3億2085万円と推移した。うち畜産関係は年々割合が増えて67~76%を占める。

 確認できた中で最も古い03年度の販売収入は2億円余り。05年度は2億2000万円弱、06、07年度は2億3000万円台だった。畜産の割合は不明。近年の額の増加は、平均価格が全体的に高くなった牛を中心に畜産関連が押し上げたとみられる。

 曽於市の曽於高校畜産食農科は、学校近くの農場で肥育牛、繁殖牛、豚、野菜・花などを生産、場内の食品加工室で缶詰や瓶詰を開発製造する。農場長の新川秀彦教諭は「実習して教科書の内容がよく理解でき、発見もある」と話す。

 11月1日の3年生の総合実習では、専攻別に分かれて家畜の世話や作物の収穫など現場の作業にあたった。肉用牛専攻の3年生、竹元諒さんは「皆で質の高い牛を育てて、次の和牛甲子園優勝を目指す。県内の他校もレベルが高く、負けられない」と意欲的だ。

 県立10校のほか、霧島市立国分中央高校園芸工学科も、園芸作物を栽培し、校内外で販売している。

 県予算で県立高の実習成果収入は、実習費に充てられる。20年度決算では、鹿児島水産高校の食品加工費を含めて3億2619万円だった。

 22年度からの高校の新学習指導要領で、農業教育は6次産業化や情報通信技術(ICT)を活用したスマート農業を強化する方向にある。「今後は実習のやり方も変わる可能性がある」と県教委高校教育課。加工品の商品開発や家畜の飼養管理の省力化にこれまで以上に力点が置かれそうだ。

 県内公立の農業系学科は、ほぼ定員割れが続いている。魅力ある農業をアピールし人材育成につなげられるか注目される。