出水の干拓地、ラムサール条約に登録 国内最大のツル越冬地 鹿児島県内3カ所目

 2021/11/18 21:59
ツルが舞う東干拓のラムサール条約登録区域=出水市高尾野町下水流
ツルが舞う東干拓のラムサール条約登録区域=出水市高尾野町下水流
 国際的に重要な湿地を保全するラムサール条約に出水市の干拓地一帯が18日、「出水ツルの越冬地」として登録された。例年1万羽を超えるツルが飛来する国内最大の渡来地。環境保全や生態系の維持に努めることが国際的に義務付けられる。条約は「賢い利用」も定めており、市は保護の強化とともに、観光PRや農畜産物のブランド化など産業振興に役立てたい考え。

 18日の官報で告示された。市は2養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが確認されたため、20日に予定していた記念式典は延期する。認定証授与式を同日、クレインパークいずみで開く。

 登録区域は出水平野の荒崎や東干拓、西干拓、高尾野川河口の計478ヘクタール。世界各国で進んだ開発の影響で越冬地が減るなか、住民らが60年間保護活動を担い、絶滅が危惧されるナベヅルやマナヅルがシベリアから飛来する国際的に貴重な湿地帯となっている。

 一方で鳥インフルエンザウイルスを保有するとされるカモ類も多く飛来し、ツルの一極集中はウイルスまん延と背中合わせにある。感染による大量死の懸念も指摘され、分散化が急務となっている。

 登録に向け、環境省は主な登録区域を鳥獣保護管理法に基づく特別保護地区に指定し、一部開発行為を許可制にした。市は観光客から入域料を徴収する取り組みを昨季から試験的に始め、今季も20日から1カ月間行う。来季はシーズンを通して徴収する計画だ。

 県内の登録湿地は藺牟田池(薩摩川内市)、永田浜(屋久島町)に続き3カ所目。国内は53カ所目となった。