【連載・非正規公務員に明日はあるか③】減少続ける正規職員 その穴埋めにされる任用職員 災害対応を任せるケースも出てきた

 2021/11/22 08:35
台風の避難所となった公民館。避難者数が増える中、コロナ感染対策など自治体は対応に追われた=2020年9月、鹿児島市の喜入公民館
台風の避難所となった公民館。避難者数が増える中、コロナ感染対策など自治体は対応に追われた=2020年9月、鹿児島市の喜入公民館
 財政難を背景に自治体の正規職員の採用は減っている。その穴埋めに、非正規への置き換えが進む。災害対応など正職員が担った仕事を、会計年度任用職員に任せる動きも出ている。

 伊仙町や天城町は数年前から、避難所運営や災害ごみの受け入れなどに任用職員を充てる。仕事は受付や本部との連絡など。「どうしても職員が足りない場合にお願いしている」(伊仙町総務課)と説明する。

 近年は台風の大型化で避難者が増加。さらに新型コロナウイルス感染対策で、避難所の定員を減らすため、避難所を多く開設する必要があった。「小さい自治体は緊急時の人手が足りない」(同課)との悩みがある。

■人手不足

 徳之島町は長期の避難所開設が必要な場合、管理職も含めて正職員3交代制で回している。しかし、今後は考え直さざるを得ないという。

 同町総務課は「足りない場合、任用職員にお願いすることになりそう。給料や待遇の差があるのでできる限り正職員で回すべきだが…」と苦しい事情を明かす。

 手当は支払われるとはいえ、本来は正職員が担ってきた仕事。任用職員の負担感は大きい。地方自治総合研究所(東京)の上林陽治研究員は「任用職員は限定された職務を担うジョブ型雇用。役所の仕事のすべてを担うメンバーシップ型雇用の正職員と、同じ働かせ方をさせるのはおかしい。便宜的に任用職員を使うことは制度の趣旨に合わない」と指摘する。

■法の谷間

 任用職員は、これまでの嘱託や臨時など「あいまいな存在」ではなくなり、地方公務員と見なされるようになった。このため、民間なら通算5年を超えれば無期雇用へ転換を要求できる「5年ルール」は適用されない。法の谷間に置かれている状態だ。

 鹿児島市のある任用職員は「都合のよい時は『公務員だから』と言われ、都合が悪くなると『仲間ではない』と突き放されている感じ」とこぼす。

 「パワハラ的な言動を受けるようになった」との声も聞かれる。ある学校職員は嘱託の時は出席できた職員会議に「任用職員は入れない」と閉め出された。別の元任用職員は、上司に欠員補充を訴えたところ、冷遇されるようになった。「任用職員はたくさんいるから辞めていいですよ」と言われた。

 自治労県本部は今月から、県と加盟する県内40市町村の組合を通じ、任用職員を対象に勤務環境や賃金の現状を聞く初めてのアンケートを実施している。(つづく)