忘年会シーズンに「光差した」 鹿児島県が会食制限撤廃 ホテル・飲食店、追い風に期待 新型コロナ

 2021/11/26 11:35
調理場で宴会の予約表を見る橋本龍次郎社長=25日午後6時40分、鹿児島市のホテル&レジデンス南洲館
調理場で宴会の予約表を見る橋本龍次郎社長=25日午後6時40分、鹿児島市のホテル&レジデンス南洲館
 鹿児島県が会食時の人数、時間制限を撤廃した25日、忘年会シーズンを控えた飲食店やホテルは「光が差した」と歓迎した。ただ、大勢での飲食は新型コロナ再拡大のリスクをはらみ、店主らは「備えは怠れない」と口をそろえた。企業の宴会自粛が長く続き、客足がどこまで回復するか不安の声も聞かれた。

 「昨春から暗闇が続いていた。明るい気持ちになった」。鹿児島市東千石町のホテル&レジデンス南洲館の橋本龍次郎社長(57)は晴れ晴れとした表情をみせた。12月の宴会予約は30件以上。コロナ前の約120件には届かないが、制限撤廃が追い風になるとみる。

 宴会ではテーブル一つにつき人数を4人に制限。鍋料理は従業員が取り分けて提供している。鍋を味わった同市郡山町の運送業中島義信さん(71)は「コロナでじっとしていた。久しぶりに飲みに行けて、よか晩じゃ」。

 薩摩川内市東向田町で居酒屋を営む徳田政博さん(70)は「感染者がほとんどいなくなった現状と街の活性化を考え、行政トップが声かけをしてもらいたいと思っていた」と知事の判断を評価した。「いくらか客足が戻ってきたが、まだまだ」と年末にかけて活況につながることを期待した。

 「感染リスクを考えると、大人数をもてなすのはまだ不安」。奄美市名瀬の繁華街「屋仁川通り」で居酒屋を営む栄律子さん(65)は手放しでは喜べない。10月以降、観光客が増え、ひと月当たりの来店は前年同期に比べ1割ほど増えた。それでも密になる時は入店を断っている。「いつ感染が拡大するか分からない。自分と客の安全を守らなくては」と気を引き締めた。

 「忘年会、新年会にはあまり期待していない」と話すのは鹿児島市山之口町でスナックを経営する國生惠子さん(59)。「今は個人客中心。県が制限をなくしても、企業が飲み会禁止をやめてくれなければ、お客さんは戻らない。行政主体で『飲みに出てもいい』という雰囲気を醸成して」と注文した。