鹿児島県新体育館は本港区に 地元「にぎわい創出」と歓迎 ライバル谷山は「迷走」落胆

 2021/11/27 07:34
県の新総合体育館を整備することが決まったドルフィンポート跡地=26日、鹿児島市本港新町
県の新総合体育館を整備することが決まったドルフィンポート跡地=26日、鹿児島市本港新町
 鹿児島県が二転三転を繰り返してきた新総合体育館の立地を巡る議論が26日、大きく前進した。専門家らでつくる検討委員会が決めた鹿児島市の鹿児島港本港区エリアでの整備方針。スポーツ関係者や経済界は、利便性向上や経済波及効果に期待を寄せる一方、これまでの迷走ぶりを嘆く声も。サッカースタジアムや市電延伸など他事業との調整も課題となる中、県政の長年にわたる懸案は解決に向かうのか、注目される。

 商工関係者らが「新体育館整備は天文館のにぎわい創出につながる」と期待するのに対し、候補地に漏れた谷山地区からは県の進め方に「迷走感が否めない」との意見も出た。

 まちづくり団体「上町タウンマネジメント」の松野広行代表幹事(56)は本港区エリアが候補地になったことを喜び、「市電延伸など回遊性が生まれる施策を」と求めた。

 天文館商店街振興組合連合会の平岡正信代表理事(53)は交流人口の増加を見据え「モノを売るだけでなく、体験を売るコト消費も視野に入れた営業スタイルが求められる」。県には「県民の声に耳を傾け、計画を慎重に進めて」と訴えた。

 本港区エリアでは、県が国際会議などができるコンベンション施設の整備可能性を調査中。鹿児島商工会議所の岩崎芳太郎会頭(67)は「コンベンション施設をドルフィン側、体育館を15番街区に」と要望する。交通アクセスも課題に挙げた。

 同エリアでは、鹿児島市によるサッカースタジアムの整備計画もあり、地元の泉町町内会の尾込克信会長(73)は「住民が食事をする施設や散歩できる緑地もあればいい」と声を弾ませた。

 元鹿児島市議で、「県農業試験場跡地の活用と鹿児島・谷山のみらいを考える会」の田中良一副会長(73)は「新体育館をどこに造るかばかりが議論されている。天文館との回遊性までシミュレーションできているのか」と疑問を呈する。

 「本港区エリアは鹿児島の発展にとって大事な場所。県と市が一体となってまちづくりを協議・検討する必要がある」と語った。