サツマイモ基腐病 鹿児島県内、作付面積の75%で発生 県、育苗施設支援へ蒸気殺菌の装置導入

 2021/11/30 11:50
グラフ・サツマイモ基腐病の発生状況
グラフ・サツマイモ基腐病の発生状況
 全国的に被害が拡大しているサツマイモ基腐(もとぐされ)病が、鹿児島県内の作付面積全体の75%で発生していることが29日分かった。県は来年産の発病を抑えるため、育苗施設に種芋を蒸気で殺菌する「蒸熱処理装置」の導入を進める。

 同日開会の県議会12月定例会で、関連予算3400万円の提案理由説明で塩田康一知事が明らかにした。

 県農産園芸課によると、作付面積1万300ヘクタールのうち、約7700ヘクタールで葉が枯れるなどの症状が見つかった。被害は2020年産より1800ヘクタール拡大している。

 サツマイモの収穫量への影響は不明だが、20年産は平年に比べ2割減っており、より深刻とみられる。

 基腐病は感染した種芋から作った苗を植えることで、原因となる糸状菌(カビ)が農場内に持ち込まれる。ただ、種芋の感染は見た目で分かりにくいため選別が難しく、被害が全国に広がった。

 蒸熱処理は種芋を48度で一定時間加熱して原因菌を死滅させる。東南アジアからの輸入青果実の害虫処理に用いられる。

 装置を製造している三州産業(鹿児島市)がサナス(同)、三和物産(鹿屋市)などと共同で実施した試験では、人工的に感染させた種芋の発病率を2%に抑えられた。処理しなかった場合は95%が発病したという。

 装置は1台当たり約1000万円。半日程度で種芋500キロを殺菌処理できる。県は育苗施設に対し、導入費の半額を補助する。来年産に使う種芋の約1割を処理できる見込み。育苗施設には土壌消毒費も支援する方針。