馬毛島に自衛隊基地建設へ 防衛省、地元に正式決定と早期整備の必要性説明 西之表市長「納得いかない」

 2022/01/13 07:33
八板俊輔市長(右端)に経緯を説明する防衛省幹部ら=12日、西之表市役所
八板俊輔市長(右端)に経緯を説明する防衛省幹部ら=12日、西之表市役所
 防衛省は12日、西之表市を訪れ、八板俊輔市長に同市馬毛島が米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転を伴う自衛隊基地整備計画の建設場所として正式決定したと説明した。滑走路など基地本体の工事費を計上した2022年度予算案が閣議決定され、日米間でも「馬毛島は整備地」との認識を共有したことを決定の理由に挙げ、安全保障や日米同盟の強化に向け早期整備の必要性を強調した。八板市長は「唐突で納得がいかない。市民が不安に思っている」と不満を伝えた。

 同省が整備決定を地元首長に直接伝えたのは初めて。これまで「馬毛島は候補地」としており、大きな転換点となる。

 同省地方協力局地域社会協力総括課長の北川高生防衛書記官は、島の土地取得や各種調査を進める中、基地整備費など3183億円を計上した22年度予算案の閣議決定が「一つのポイントだった」と述べた。7日の日米安全保障協議委員会(2プラス2)を経て、馬毛島が候補地からFCLPでの使用を前提とした自衛隊基地の整備地に決定。「安全保障は時間との勝負。わが国の防衛のため一刻も早く施設整備を進めることが必要」と理解を求めた。

 八板市長は「いつの間にか決まっていたと言われても市民は混乱する。どう受け止めていいのか」と困惑。基地整備の影響を調べる環境影響評価(アセス)の途中段階で住民の判断材料が示されていないとし、「決定はアセス後と受け止めていた」と明かした。

 北川氏は「住民が不安にならないよう丁寧に説明していく」と応じ、島内での着工はアセス後になると繰り返した。

 八板市長は面会後の会見で「日米の協議が終わるまで地元や国民が整備決定を知らされないというのは手順としておかしいのではないか」と指摘。今後の対応は「市民の意見を聞く機会を設け、それを踏まえ考える」とした。

 防衛省は13日、鹿児島県庁を訪れ、塩田康一知事に2プラス2協議や22年度予算案について説明する。