来春の新卒採用 「ある」と答えた鹿児島県内の企業は? アンケートから見えるコロナ禍の人材確保事情

 2022/03/16 11:05
 南日本新聞社が九州経済研究所(KER、鹿児島市)と共同で、鹿児島県内の主要企業を対象に実施した2023年新卒の採用計画アンケートで、回答した343社のうち、採用が「ある」とした企業は57%(前年比4ポイント増)、「未定」は24%、「なし」は19%だった。採用を予定する企業の33%が今春に比べ「人数を増やす」としながら、「予定数の確保が難しい」は11ポイント増の73%に上った。新型コロナウイルス禍が長引く中でも採用意欲は衰えていないものの、人材確保に苦慮する様子がうかがえる。

 採用人数が「前年並み」は61%、「減らす」は6%だった。増やす、前年並みとする理由(複数回答)は、「人手不足対策」が58%で最多。「将来の労働人口減少への対策」50%、「退職者の補充」48%と続いた。

 予定数の確保は難しいとみる理由(複数回答)は、「全体的な求人数の増加」が18ポイント増の53%で、前年を大幅に上回った。「確保できそう」としたのは27%。その理由(複数回答)を「県内就職志向の高まり」と答えたのは51%で10ポイント低下した。

 新卒者の労働条件を「改善する」は34%で10ポイント伸びた。具体的な対応は「初任給の引き上げ」が67%、「労働時間短縮」は22%で、今回新設した「研修機会の充実」は22%だった。

 採用活動の内容(複数回答)は、「通年採用」が3ポイント増の52%で昨年に続きトップ。「オンライン説明会・ウェブ面接などの実施」は50%で5ポイント上回った。

 調査は1月下旬~2月下旬、県内に本社や事業所がある517社にメールか郵送で実施。有効回答率は66.3%だった。22年春の採用実績、経営環境なども尋ねた。