「はやとの風」有終 「特別な日」ラストランの沿線に惜別の人波 鹿児島中央―吉松

 2022/03/22 14:56
吉松中マンドリン部の演奏などで乗客を出迎える町民ら=湧水町のJR吉松駅
吉松中マンドリン部の演奏などで乗客を出迎える町民ら=湧水町のJR吉松駅
 JR鹿児島中央駅と吉松駅を結ぶ観光特急「はやとの風」がラストランを迎えた21日、沿線の肥薩線各駅には有終の姿を一目見ようと大勢の鉄道ファンが駆け付けた。地域住民も音楽や花束を贈って労をねぎらった。

 湧水町の吉松駅では、吉松中学校マンドリン部の演奏と、地元の女性合唱グループ「青春歌声喫茶」の歌が乗客を出迎えた。6年前までJR九州に勤務していた自営業猪俣武さん(60)=同町川西=は「(自分の)最後の乗務がはやとの風だった。観光列車はみんなが明るい気持ちになれる不思議な空間。形を変えてまた戻ってきてくれれば」と期待した。

 数日前に乗車し、今回は同駅に見送りに来た竹之内美奈ちゃん(6)、美緒ちゃん(5)姉妹=鹿児島市石谷町=は「寂しいけど、(改装して長崎・佐賀を走る)ふたつ星4047にも乗りたい」と笑顔を見せた。

 霧島市の霧島温泉駅で手作り菓子などを振る舞ってきた同駅地域振興会の上原松子さん(79)は「新天地でも多くの乗客を笑顔にしてほしい」。かつて同駅の「ちびっこ駅長」として活動していた鹿児島高専1年、山下琳太郎さんは乗務員に花束を手渡し、「黒い車体が格好良かった。感謝の気持ちを伝えられたらと思う」と語った。

 同市の嘉例川駅のホームで、家族と一緒に列車を待ち受けていた石川瑛仁(えいと)君(12)=大分県=は「切符は取れなかったけど(ラストランの)特別な日をここで過ごせてよかった」と話した。