霜降り? 赤身? 和牛肉の好みどっち  首都圏・京阪神など大消費地の1000人調査 南日本新聞

 2022/03/24 21:18
 牛肉の需要を巡り、首都圏や京阪神地域など大消費地の住民ら千人を対象に南日本新聞が3月に行ったインターネット調査で、霜降り肉を好む人は35%で、赤身肉の40%を下回った。とりわけ40代以下で赤身志向が強い。脂肪交雑(サシ)が特長の和牛は「値段が高い」と6割が感じており、霜降り重視の高価格路線が曲がり角に来ていることが浮き彫りになった。

 調査は、飼養頭数で日本一の鹿児島の「和牛王国」存続を目指し、消費者ニーズを把握するのが狙い。県産和牛は知名度で後れをとっていることも明らかになり、肉質や価格面を含め戦略の見直しが必要といえそうだ。

 牛肉の好みを年代別でみると、50代以上は霜降りと赤身が拮抗(きっこう)。20~40代はいずれも赤身が40%を超え、霜降りに10ポイント近い差をつけた。

 牛肉を食べる頻度は、50代以上の53%が「週1回程度」だったのに対し、40代以下は「年数回以下」「月1回程度」の回答が計55%に上り、牛肉離れの傾向がみられた。

 和牛のイメージ(複数回答)は61%が「おいしい」と答えたものの、「値段が高い」が59%、「特別なごちそう」が43%で、縁遠い存在であることがうかがえる。和牛の購入を増やす条件(同)に、59%が「価格を安くする」を選び、「サシを減らす」が21%で続いた。

 一方、八つのブランド和牛を挙げて認知度を尋ねたところ、鹿児島黒牛は30%にとどまり、下から2番目だった。2017年の全国和牛能力共進会で「日本一」に輝いた成果を十分に生かし切れておらず、消費拡大に向け一層のPR強化が求められる。

 調査は7~14日、首都圏4都県、近畿6府県、東海4県、九州7県で各エリアの人口比に応じ、20代以上の男女1104人から回答を得た。

■赤身志向 20~40歳代で顕著、サシ偏重の規格改定を

 今後、購買層の中核をなす20~40代で、霜降りより赤身の牛肉を好む人が多いことが明らかになった。しかし、生産現場はニーズに逆行しているのが実情だ。

 昨年出荷された和牛は、脂肪交雑(サシ)が多い最上級の「A5」が半数近くを占める。牛枝肉取引規格でサシが入るほど等級が上がり、高値で売買される市場構造が背景にある。

 1991年の牛肉輸入自由化以降、安い外国産と差別化するため、和牛は口溶けのいい霜降り重視の高級路線にかじを切った。その結果、海外の富裕層にも味の良さが広まり、日本の食品輸出をけん引する存在に成長する一方、庶民には手の届かないものとなった。

 国内の消費者にそっぽを向かれるようでは、鹿児島をはじめとする産地の未来は明るいとは言えない。健康志向も高まっている。

 30年以上前に定められた和牛の「物差し」を見直し、霜降りだけでなく、価格を抑えた赤身肉のニーズにも対応できる産地を目指す時機に来ている。