鹿児島県立短大「4年制化」議論が再燃 学内ワーキンググループ、一部導入を提言 少子化、存続に危機感 新学長と県の対応注目

 2022/03/29 08:49
四年制化を巡る議論が進む鹿児島県立短期大学=鹿児島市下伊敷1丁目
四年制化を巡る議論が進む鹿児島県立短期大学=鹿児島市下伊敷1丁目
 鹿児島県立短期大学の四年制化を巡る議論が再燃している。学内のワーキンググループ(WG)は昨年12月、「部分四大化」を提言する報告書をまとめた。だが、学内での議論の本格化を前に、旗振り役だった塩地洋学長が退任。4月に就任する新学長と、設置者である県執行部の対応に注目が集まる。

 16日、県議会文教観光委員会。自民の藤崎剛議員から四年制化への受け止めを問われた県学事法制課は「入学や就職などの現状を踏まえ、現在のところ考えていない。学内で自主的に議論されている」と答弁した。

 従来通りの答えに藤崎議員は「(報告書は)あくまで現場のたたき台だろうが、長期的な政策を考える参考資料になる」と指摘。WGの取り組みを評価し執行部の議論を促した。

■学生から署名も

 きっかけは2020年4月、学長選で四年制化を掲げ、当選した塩地洋学長の就任だ。教員7人によるWGを同年末に立ち上げ、高校の進路指導教職員にアンケートしたり、全国の短大の状況を調べたりして、報告書をまとめた。

 報告書は、全国で短大が激減する一方、県内では一定のニーズがある現状を踏まえ「部分四大化」を提言。定員の5~2割を短大として残す四つのプランを示した。「県外大学への流出を防げる」とする。

 四大化を望む声は学生からも上がる。生活科学科のある教員は2年前、食物栄養専攻生約30人から四年制化を求める署名を渡された。短大では栄養士の資格しか取れず、国家資格である管理栄養士の受験資格を得るには卒業後、3年以上の実務が必要となるためだ。

 四大への編入も増え、21年度は過去最高の31人が熊本大や上智大へ進んだ。県短の教員からは「地元で学びたい学生も親も助かるはず」「若者の選択肢が広がる」と四大化に賛成する声の一方、「本当に県民のメリットになるのか。県短には地域の需要がある」と慎重な意見もある。

■尻すぼみ

 四年制化の議論は発足間もない1960年代から繰り返されてきた。記念誌によると、県側が検討を要請したり、県短側が将来構想をまとめたりしたこともあった。だが、既存大学への配慮や資金面などがネックとなり、いずれも尻すぼみになった。

 その間、全国では公立短大の四大化や廃止が進んだ。96年度の63校から2021年度は14校に。14校中6校は四大も併せ持つ「大学部」で、1校は22年度に四大となる。短大の進学率は減少傾向が続く。18歳人口は減り続け、いずれ四大の進学者数も減少局面に突入すると予測される。

 学内の議論を呼び水に、県議会でも会派を超えた複数の議員が関心を寄せる。背景には地方の短大・大学存続への危機感がある。21年6月の定例会一般質問で、塩田康一知事は「報告書ができたら、しっかり確認したい」と答えた。議論は待ったなしだ。