海底火山噴火で大量漂着の軽石、半年たってどこ行った? 2月以降、出漁見合わせなし 奄美群島

 2022/04/09 08:45
与論町立長の海岸に漂着した軽石。灰色の軽石が海面を埋めた=2021年11月13日
与論町立長の海岸に漂着した軽石。灰色の軽石が海面を埋めた=2021年11月13日
 小笠原諸島の海底火山噴火で発生したとみられる大量の軽石が奄美群島に漂着して半年となる。漂着場所の拡大が続くが、当初各地で影響が出た漁業は2月初旬を最後に出漁を見合わせていない。回収作業の成果に加え、専門家は「漂着した軽石が潮の流れで拡散した」とみる。

 奄美群島で最初に軽石が確認されたのは昨年10月10日ごろ。その後、群島全域やトカラ列島などに拡大した。県によると、3月2日時点で漂着が確認されたのは、県本土を除く18市町村の133カ所。前月から2カ所増えた。

 軽石漂着のシミュレーションをした東京海洋大学の長井健容准教授は「漂着した軽石が潮に乗って再び沖合に流れ、別の場所に到達する現象が起きている」と分析する。

 18市町村のうち、漂着量が比較的少ない西之表市などを除く14市町村で軽石を回収。集計方法は自治体ごとに異なり、3月2日までに3市町村で9775立方メートル、11市町村で2186トン。多くの市町村は「回収のピークは過ぎた」とみる。

 漁業に大きな影響が出た与論町でも操業は通常に戻りつつある。セメントを流し込んだように灰色の軽石で覆われた海岸線は、8000立方メートル以上を回収し青い海面が戻った。町漁協によると、細かくなった軽石が海中にまだ漂うものの、漁船吸水口のろ過器を改良するなどして、3月のソデイカ水揚げ量は前年同月と同水準まで回復した。

 課題は町内に仮置きする軽石の処分先。町の担当者は「理想は島外搬出だが、コストがかかる。埋め立てできる広さの土地を島内で探すしかない」と話す。与論を含め6市町村で処分先が未定となっており、影響は続きそうだ。