新型コロナワクチン 鹿児島県内の5〜11歳接種1割止まり 「副反応が不安」「感染しても軽い」…努力義務なく保護者悩む 

 2022/04/17 12:00
新型コロナウイルスのワクチン接種を受ける11歳の子ども=鹿児島市
新型コロナウイルスのワクチン接種を受ける11歳の子ども=鹿児島市
 5〜11歳を対象にする新型コロナウイルスのワクチン接種が始まって1カ月半。鹿児島県内で子どもの感染者が高止まりする中、感染抑制の効果も期待されるが、1回目の接種率は10日現在、10.3%(全国9.3%)、2回目2.4%(同2.9%)にとどまる。12歳以上と違い法的な努力義務はなく、接種の判断に迷う保護者もいるようだ。

 子どもへの感染はオミクロン株がまん延し始めた1月以降、急増した。4月9〜15日に県内で感染が判明した4458人のうち10歳未満は799人、10代は816人で、10代以下は全体の36%に上る。

 5〜11歳のワクチン接種は2月時点で、オミクロン株への効果が十分確認されていなかったため、予防接種法上の努力義務は課されなかった。打てるワクチンは現在、米ファイザー製のみ。有効成分量は12歳以上の3分の1で、3週間空けて2回接種する。

 鹿児島市のパート有村靖代さん(44)は中学2年の長男は2回打ったが、小学1年の次男に関しては迷っている。「副反応が強く出た場合に小さい体で耐えられるか不安。夫は感染を心配して接種を望んでいる」と家庭内でも意見が分かれていると明かす。

 園児と小学3年の娘がいる霧島市の主婦(39)は「子どもは感染しても軽いと言われている。打たせる決め手になる情報が少ない。周りで打つ人が増えれば考える」という。

 努力義務から外れたことで、接種の進め方が手探りの自治体もある。枕崎市は「予約枠は思うように埋まらないが、協力を呼び掛けるのは難しい」。指宿市は「納得した上で打ってほしい」と接種券を一斉送付せず、有効性や安全性に関するお知らせを送り、希望した場合は市に予約を入れてもらう仕組みにした。

 厚生労働省などによると、米国の臨床研究で、オミクロン株に対する5〜11歳の感染予防効果は31%(12〜15歳は59%)、入院予防効果は68%だった。米国では38度以上の発熱が1回目接種後8%、2回目13%にみられ、副反応が出る頻度は16〜25歳に比べて低いと報告されている。

 日本感染症学会ワクチン委員会の西順一郎委員長(鹿児島大学大学院教授)は5〜11歳の接種について「オミクロン株への効果は限定的だが、新型コロナの流行が今後長期化することを考えると、現段階で免疫をつけておくことは意義がある。行政や医療従事者は効果と安全性の情報を丁寧に説明することが重要だ」と話す。