イプシロンロケットが商業衛星を初受注 小型観測衛星2機、年度内に内之浦から打ち上げ

 2022/04/20 08:28
イプシロンロケット
イプシロンロケット
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小型ロケット「イプシロン」の開発を手がける宇宙関連企業「IHIエアロスペース」(IA)=東京都=は19日、民間企業からイプシロン6号機での小型観測衛星打ち上げを受注したと発表した。JAXAによると、イプシロンが有償の商業衛星を受注するのは初めて。民間利用拡大へ期待がかかる。6号機は、本年度中に肝付町の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げる予定。

 IAはJAXAの了解を得て、福岡市の宇宙ベンチャー企業「QPS研究所」から衛星の打ち上げを受注した。研究所は北部九州を中心に、全国のパートナー企業と開発した小型観測衛星2機を打ち上げる予定。天候や昼夜を問わないレーダーで国内外の地表を観測し、交通状況や被災地の把握に役立てる。研究所の大西俊輔社長(36)は「今回の打ち上げを通して、日本の宇宙産業の着実な発展に貢献できるよう尽力する」とコメントした。

 国際競争が激しくなる中、JAXAは商業衛星の打ち上げ受注増を目指している。固体燃料を使用するイプシロンは、2013年の初号機から5機連続で打ち上げに成功。大型の液体燃料ロケットに比べて打ち上げ費用が安価とされ、準備期間が短い。18年の3号機以降、大学や研究機関、民間企業をはじめ、JAXA以外の衛星計15機を打ち上げている。

 同日の記者会見で末松信介文部科学相は「民間利用拡大の弾みとなり、国際競争力の強化や宇宙産業の発展に期待している」と述べた。