京セラが国内最大の工場建設へ 鹿児島川内工場敷地内 半導体部品を増産 来秋稼働、400人雇用

 2022/04/21 08:22
京セラ鹿児島川内工場に建設される新工場の完成予想図(同社提供)
京セラ鹿児島川内工場に建設される新工場の完成予想図(同社提供)
 京セラ(京都市、谷本秀夫社長)は20日、鹿児島川内工場(薩摩川内市高城町)に新工場1棟を建設すると発表した。半導体部品を増産し、世界的な需要増に対応する。5月着工、2023年10月に操業開始予定で、地元を中心に400人を新規雇用する。同日、薩摩川内市役所で立地協定の調印式があった。

 同社によると、新棟は工場敷地内の駐車場に建設する。6階建て、延べ床面積6万5530平方メートルで、同社の国内工場で最大となる。投資額は625億円。

 新棟では、半導体部品の有機パッケージを中心に製造し、初年度は330億円の生産を見込む。有機パッケージは第5世代移動通信システム(5G)や自動運転技術などに使用され、需要が増大している部品。新棟完成後、鹿児島川内工場の生産能力は4.5倍となる。ほかにパソコンやスマートフォンに搭載される水晶デバイス用パッケージも生産する。

 調印式で、京セラの佐藤隆執行役員常務は「薩摩川内市から世界へ最先端の部品を供給することで、50年以上育んでくれた地元への恩返しになれば」と述べた。田中良二市長は「経済好循環の引き金になる。就職者の確保に協力したい」と期待した。

 鹿児島川内工場は1969(昭和44)年操業開始。現在の従業員数は約4800人。