誤診で後遺症、3億2700万円賠償命令 鹿児島大学病院と生協病院に 地裁判決

 2022/04/21 21:49
 鹿児島大学病院と鹿児島生協病院=いずれも鹿児島市=の医師らが適切な治療をせず、運動障害などの後遺症を負ったとして、同市の男性(40)が計約4億1200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で鹿児島地裁は20日、医師らの過失を認め、病院を運営する鹿児島大と鹿児島医療生協に計約3億2700万円の支払いを命じた。

 判決によると、男性は生協病院に研修医として勤務していた2007年12月、頭痛を訴え、同病院の内科を受診。医師はコンピューター断層撮影(CT)検査などから脳腫瘍であると診断し、鹿大病院に詳しい診察を依頼した。

 鹿大病院の医師は悪性の脳腫瘍の可能性があると診断したが、すぐに手術が必要とは判断せず、男性は生協病院に入院。鹿大病院医師の診断から4日後、意識不明となり、同病院に緊急搬送された。別の医師の診察で脳にうみがたまる「脳膿瘍(のうのうよう)」による脳ヘルニアと判明し、開頭手術をしたが、意識障害や運動障害が残った。坂庭正将裁判長は「直ちに治療していれば後遺症の発生を避けられた」と指摘した。

 鹿大病院と生協病院は「判決文の内容を詳細に検討し今後の対応を協議する」とコメントした。

 男性の母親(74)は「病院側のミスが認められてほっとしている。息子は寝たきりで、周囲の助けがないと生きていけない。いろいろな可能性を疑い、すぐに適切な処置をしてほしかった」と話した。