10代以下の感染が4割超す鹿児島県 クラスターが不安、でも休校は困る…共働き夫婦の思い 「副反応が心配で」子どもへのワクチンも決断できず
2022/05/03 08:33

アルコール消毒をする給食当番の生徒=4月27日、鹿児島市の郡山中学校
4月27日午後0時半すぎ。郡山中学校(鹿児島市)内の給食コンテナ室前に、各クラスの給食当番が集まってきた。密にならないよう教職員が見守る中、消毒担当の生徒が1人1人の手にアルコールを噴きかけた。
同校は生徒会が中心となり、2020年5月から感染対策へ取り組む。現在は校内放送でも注意を呼び掛ける。生徒会保健安全部の瀬戸口はな副部長=2年=は「楽しみな校内行事を行うのが目的。自分たちにできる対策をしている」。ただ市内の感染者は高止まりし、感染する生徒も後を絶たない。内健史校長は「手洗いやマスク着用といった基本対策を徹底するしかない」と表情を引き締める。
中郡小学校(同市)も校内対策に加え、家庭内感染にも注意を払うよう保護者へたびたび呼び掛ける。日高京美校長は「児童は黙食をはじめとする対策で頑張っている。しかし校内でやれることは限られる」と、手詰まり感をにじませる。
鹿児島県は4月26日、974人の最多感染者を確認。うち4割超が10代以下だった。居住地は鹿児島市が6割弱を占める。危機感を強めた同市教育委員会は同日、各学校へ感染対策徹底を呼び掛けた。
対策に苦慮するのは、鹿児島市以外の市町村も同様だ。県発表によると、4月のクラスターは認定を休止している鹿児島市分を除き計26件。うち学校や部活動で計12件確認した。4月に2件確認した出水市教委によると、感染で自宅待機する生徒や万一の臨時休校・学級閉鎖などに対応するため、配備済みのデジタル端末を使ったオンライン授業を随時行っている。学びを維持する態勢は整えたが、市学校教育課の床並伸治課長は「手を尽くしても感染は広がる。収束を願うしかない」ともどかしげだ。
国は4月までに、臨時休校といった判断を慎重に行うよう通知。感染者が増えても簡単に休校措置を取れなくなった。医療機関に勤める鹿児島市の男性(39)は、国の方針を歓迎する1人だ。妻もエッセンシャルワーカー。小学生の子ども2人が2月に感染した際は職場復帰に2週間を要した。「共働きなので、休校しないのはありがたい」と話す。
夫婦とも計3回ワクチンを打った。ただ「副反応のリスクを考えると」子どもに打たせる判断はつかない。家庭内では体調管理に気を配る。「学校でも基本的な感染対策はやってくれていると思う」。ただ大人の目が届かない可能性や、オミクロン株とその派生型「BA・2」の強い感染力を考えると「学校での感染は気掛かりだ」。悩ましげに話した。
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