「なぜ女を出す。バカにしているのか」 銀行窓口で客に言われた言葉。女性は名刺を支給されなかった時代。「人間として実力を磨こうと誓った」
2022/05/03 10:15

「男性も無意識の偏見に気付いて」と語る鹿児島市女性活躍アドバイザーの中村啓子さん=鹿児島市役所
-市の女性活躍アドバイザーとなって丸3年。19年度に62人(14.8%)だった女性管理職(主幹以上)は22年度は86人(19.2%)に増えた。
「だいぶ良くなってはいる。以前は特定ポストだけに就く風潮があったが、どの部署へも昇進できるようになった。それでも行政は男性の領域だと、男性だけでなく女性もまだ思っている」
-3月公表の「都道府県版ジェンダー・ギャップ指数」で、鹿児島県は行政、政治、教育の3分野が40位台。遅れている理由は。
「長年やっている人が安心という気持ちが鹿児島ではまだ強い。女性が仮にリーダーになったとして、周りの男性が支えてくれるかという不安もある」
-女性活躍が進まないと、どんな不都合がある。
「優秀な人は鹿児島を出て行く。女性だけでなく、男性も流出するのではないか。女性に門戸を開いていない自治体や企業に魅力を感じない」
-自身が女性として苦労してきたことは。
「銀行で窓口業務をしていた時に、入店客に『何で女を出すのか。バカにしているのか』と言われた。窓口業務の女性は名刺を支給されない時代もあった。悔しかった。自費で名刺を作って顧客に渡していた。『中村啓子』という1人の人間として実力を磨こうと胸に決め、やってきた。女性も成果を挙げて、ものを言えるようにならないといけない」
-男性に求めることは。
「『無意識の偏見』を持っていることを意識してほしい。自覚していなくても、パワハラ・セクハラになりかねない言動は多い。市の職員にも、チェックシートを使い研修をしている」
-女性を優遇しすぎる「逆差別」の指摘もある。
「無理に昇進させても、長続きしない。周りから『実力のないくせに』と言われるなど、影響が女性本人に返ってくる。『実力で昇進したのだから、胸を張って頑張りなさい』と言えることが望ましい」
なかむら・けいこ 1958年生まれ。鹿児島市出身。鹿児島南高校卒業後、77年に鹿児島銀行に入行。鹿児島市外の支店長、本部の部長代理など行内で女性初の役職を歴任した。
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