夜遅く鳴った電話「経口補水液の作り方を教えて」 三島村・黒島の看護師は、住民から必要とされていると実感した…「忘れられない看護エピソード」最優秀賞 アニメも公開

 2022/05/11 21:36
「忘れられない看護エピソード」最優秀賞を受賞した黒島へき地診療所の内田善也看護師(中央)=鹿児島市名山町の三島村役場
「忘れられない看護エピソード」最優秀賞を受賞した黒島へき地診療所の内田善也看護師(中央)=鹿児島市名山町の三島村役場
 日本看護協会が5月12日の「看護の日」に合わせ全国から募集した「忘れられない看護エピソード」で、鹿児島県三島村の黒島へき地診療所の看護師、内田善也さん(29)が最優秀賞を受賞した。全国651点から選ばれた作品には、住民との温かい交流を通して「信頼される看護師として成長していきたい」という思いがつづられている。

 内田さんは北海道出身。神奈川県の川崎市立川崎病院の救命救急センターを経て、2020年2月に国際協力機構(JICA)の海外協力隊員としてインドネシアに赴任。だが新型コロナウイルスの感染拡大で活動中止となったために帰国し、同年9月から片泊地区の診療所に勤務している。

 受賞作には、昨年6月末に熱中症予防教室を開催した際、夜遅くに島民から「教室で習った経口補水液の作り方をもう一度教えてほしい」と電話が鳴り、島民から必要とされている実感が得られたことを記した。この体験はアニメーション化もされ、看護協会のホームページで公開されている。

 エピソード募集は10年に始まり、最優秀賞は県内在住の看護師としては初めて。「名前を呼んでくれたり、お茶を飲みに来たりする人が増えた。無医村ということもあり、島民が自発的に健康を守る活動ができるよう手助けをしたい」と内田さん。県看護協会の田畑千穂子会長は「無医村で働く看護師の体験は全国から関心を集めた。今後も活躍を期待している」と語った。