ウクライナ侵攻の報道「つらい」「怖い」 いのちの電話に相談相次ぐ 専門家「正常な反応。ニュースから離れて気分転換を」

 2022/05/13 21:30
電話を受ける相談員=鹿児島市
電話を受ける相談員=鹿児島市
 長引くウクライナ侵攻の報道に「怖い」「きつい」などストレスをためる人の相談が、鹿児島いのちの電話(鹿児島市)に相次いでいる。鹿児島大学名誉教授(コミュニティー心理学)の平川忠敏専務理事は「不安を感じるのは正常な反応。つらい時はニュースから離れて気分転換して」とアドバイスする。

 ロシアのウクライナ侵攻が始まった2月末以降、「気分が沈んで外に出られない」「日本にも攻めてくるのではないか」などの声が寄せられている。東日本大震災の被災者から「多くの人が亡くなる映像でフラッシュバックに襲われる」との訴えもあった。平川専務理事は「テレビや交流サイト(SNS)に振り回されている」と指摘。「趣味に打ち込んで気分転換することや、侵攻が起きる背景など知識を得て理解していくことも不安を解消する一つの方法」と指摘する。

 昨年4月~今年3月に寄せられた相談は計1万3946件(男性7964件、女性5982件)で前年同様だった。自殺をほのめかす相談は約1割の1456件で、女性が男性より約130件多かった。

 コロナ下での孤独や差別などに苦しむ声も続いている。女性の場合、生活苦やドメスティックバイオレンス(DV)の悩みが目立つ。観光業の50代女性は「コロナで仕事がなくなった」、暴言や暴力をふるう夫がテレワークで家にいるという40代女性は「居場所がない」と訴えた。

 いのちの電話では24時間無休で相談に応じているが、ボランティア相談員が不足している。19日から医師や弁護士など専門家を講師に相談員養成講座を開始する。受講料は2万円(学生半額)。事務局=099(250)1890、いのちの電話=099(250)7000。