市丸グループ(鹿児島市)、介護事業に参入 コロナでタクシー売り上げ減 将来性、既存事業との相乗効果期待

 2022/05/14 12:30
市丸グループが開所した住宅型有料老人ホーム「鶴丸ホーム明和」=鹿児島市明和1丁目
市丸グループが開所した住宅型有料老人ホーム「鶴丸ホーム明和」=鹿児島市明和1丁目
 旅客船やパチンコ、タクシー事業などを展開する鹿児島市の市丸グループは4月、同市に住宅型有料老人ホームを開所し、介護事業に新規参入した。新型コロナウイルス下で事業環境が急変する中、今後のニーズの高まりが見込まれ、既存事業との相乗効果も期待できるという。

 同市明和1丁目に開所したのは、住宅型有料老人ホーム「鶴丸ホーム明和」。4階建てで31床あり、デイサービスとヘルパーステーションを併設する。スタッフ13人が在籍。すでに入居が始まり、介護の質を確保するため徐々に受け入れ人数を増やす。

 参入のきっかけの一つが、コロナ下におけるタクシー事業の売り上げ減少。新規事業を支援する事業再構築補助金の対象となった。建設場所はタクシー営業所の跡地で、隣接するガソリンスタンド跡には営業所が移転してタクシーが並ぶ。スーパーや病院なども近く、利便性が高い。

 介護事業部の門之口豊彰部長は「市丸グループである強みは多い」と話す。面会の家族や外出する利用者にはタクシー料金を割り引く。施設内にはパチンコ店で稼働する掃除ロボットや、防犯カメラによる見守りシステムを採り入れた。ボウリング事業を含め、グループの持つリソース(資源)の活用策を探っていく。

 医師として勤務歴がある市丸隆二郎社長は「慣れ親しんだ業界で、参入への不安はない」と自信を見せる。団塊の世代が全員75歳以上となる2025年問題を挙げ、「社会的なニーズはこの数年でより高まる。今のうちから取り組んでおくべきだと思った」と話した。

 今後は、利用状況を見ながら2、3年に1棟のペースで拡大していく方針。「収益の柱としてしっかり育ってほしい」と期待した。