暑くて体育館締め切り空調オン…180人超のイベントクラスターはこうして起きた スポーツ大会盛んな時季、専門家「競技中以外でも注意を」 新型コロナ・鹿児島

 2022/05/22 12:21
選手同士の距離を確保するため、卓球台が減らされた県障害者スポーツ大会の卓球会場=15日、鹿児島市のハートピアかごしま
選手同士の距離を確保するため、卓球台が減らされた県障害者スポーツ大会の卓球会場=15日、鹿児島市のハートピアかごしま
 鹿児島県内でスポーツ大会が盛んな時季を迎え、関係者は新型コロナウイルス対策に腐心している。学校の部活動やスポーツイベントでクラスターの発生が相次ぐ中、特に屋内競技はコート数を減らしたり、換気を徹底したりと、「密」の回避に取り組む。専門家は、食事や着替えといった競技中以外の場面にも気を配るよう呼び掛ける。

 15日、鹿児島市で3年ぶりにあった県障害者スポーツ大会の卓球会場。出入り口は常時開放され、窓は数センチずつ開いていた。卓球台はコロナ前の1列5台から4台に減り、選手が声を張り上げるのは禁止。試合数を抑えるため、リーグ戦のみで決勝トーナメントはなかった。

 来年は県内で全国障害者スポーツ大会が開かれる。県は「選手に介助者が付き添う場合もあり、障スポは人と接する機会が多い。他大会の対策も参考にして来年に生かしたい」とする。

 4月に入り、県が認定したクラスターは部活動で急増し、これまでに10例が確認された。屋内で活動する運動部が多く、休憩に入ってもマスクを外したまま会話をしたり、話をしながら食事をしたりしていたケースが目立つ。

 伊仙町の体育館で4月にあったスポーツイベントでは、県内最大のクラスターが起きた。約250人がいた会場の換気や黙食が不十分だったとみられ、感染者は10代を中心に、参加者や家族ら180人を超えた。

 徳之島保健所の相星壮吾所長は「暑さのために途中から会場を閉め切って空調を入れるなど、事務局があらかじめ作っていた注意事項が順守されていなかったのが大きな要因」とみる。「大人がコロナ下の大会ルールを着実に実行し、子どもたちが運動できる環境を守ってほしい」と願う。

 15日に開幕した県高校総合体育大会は、6月7日まで32競技がある。県高校体育連盟は、競技ごとに感染を防ぐガイドラインを作り、大会を運営する。

 昨年、大会中に換気不足が要因とみられるクラスターが起きたバドミントン(5月30日~6月4日)は、会場を2階にも窓がある体育館に変え、カーテンは閉めるが窓は常時全開する。1時間に1回試合を止め、カーテンも開けて空気を入れ替える時間を設定。選手や監督、コーチ以外で入場できるのは、試合動画を撮る各校1人に限定する。

 県高体連の古川博文・バドミントン専門委員長は「選手が審判時に使う鉛筆やバインダーの貸し出しをやめたり、待機はできるだけ会場外でするよう求めたり、可能な限りモノ、人の接触を抑える。それでも、これで防げるかという不安はある」と打ち明ける。

 鹿児島大学病院感染制御部の川村英樹副部長は、スポーツ時の感染について「競技中より競技外で広がる例が多い。試合直後や更衣室、移動、引率者の喫煙など緊張が解けて、マスクなしで話が弾む場面に注意してほしい」と強調。「主催者は大会終了後1週間は、感染者が出たら報告してもらい、それを各参加者に連絡する体制を作っておくことも大切」と指摘する。