琉球侵攻で薩摩に渡ったソテツ、400年超え「地域の宝」に 高さ4メートル、幹回り2.5メートル…大切に育てられた巨木が教えてくれることとは
2022/05/22 17:00
正面玄関前にそびえるソテツ=長島町の城川内小学校
薩摩藩の琉球侵攻に従軍した大堂氏が1609(慶長14)年、実を持ち帰り育てたとされる古木だ。樹齢400年を超える学校のシンボルとして児童を見守り続けている。
ソテツは校舎2階の高さまで伸び、中心の幹回りは最大約2.5メートル。左右にいくつもの枝が張り出し、幻想的な雰囲気を醸し出す。「これほど立派なソテツは珍しい」と足を止める来校者も少なくない。
大堂氏が沖縄で入手したソテツの実を持って長島に帰郷。自宅や寺に植えたと伝わる。育ったソテツを大堂家が1922(大正11)年、同校に寄贈し、66年の校舎新築時に現在の場所に移植された。
侵攻という負の歴史から始まったソテツだが、大事に育てられ、長年スケッチ大会の題材などとして親しまれ、卒業生の思い出にも刻まれる。70年に卒業した城川内自治公民館長の大堂充博さん(64)は「鬼ごっこの隠れ場に使ったり、枝に登ったりと楽しませてもらった」と振り返る。
2007年度から3年間校長を務めた鹿児島市の田畑義文さん(72)も、海を渡り「地域の宝」として扱われてきたソテツの姿を懐かしむ。沖縄の日本復帰から50年の今年。古木に秘められた光と影の歴史をかみしめ、「他者を思いやる大切さや平和の尊さを人間に教えてくれる存在」と感謝する。
ソテツへの思いは今の児童にも引き継がれている。6年大平聖君は「初めて見た時は大きさに驚いた。大人になっても残ってくれるように大切にしたい」と力を込めた。
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