人生相談■認知症の母にストレス

 2022/06/07 06:00
【質問】認知症の母との関係に悩んでいます。元々親子関係は良好でなく、協力してくれていた妻は介護疲れでリタイア状態なので、私だけで面倒を見ています。これまで事あるごとに自分の生き方に反対されてきたことで、母の言動にストレスを強く感じています。終日気が抜けず、心理的にきつい毎日を送っています。周囲からは「親だから、認知症だからしょうがない」と言われるけれど、情でなく責任感だけで介護する自分は、どう折り合いをつければ良いでしょうか。(40代男性)

 ●まずは感謝の気持ちを

 まずは、お母さまに対して感謝の気持ちを示すことが大事ではないかと思います。

 今のあなたがあるのはお母さまお父さまのおかげ。お二人がいなければあなたは存在しない。お母さまを否定することは、ご自分を否定するのと同じではないでしょうか。過去にきびしい意見をされたのは、あなたの将来を思ってのことだったのでは。

 認知症のため記憶力は低下していても、お母さまはあなたの感情を感じ取っているのでは、と思います。しっかり者ほどこれまでと違う自分に戸惑い、不安を感じていると聞きます。愛情のない態度は、さらに不安な状態に追いやり、症状を悪化させるかもしれません。

 ドキュメンタリー映画「毎日がアルツハイマー」シリーズは、関口祐加監督自身のお母さんが認知症になり、オーストラリアから帰国して母親と向き合う日々を記録した作品です。

 ユーモアを交えながら明るく、どう介護していけばいいのかを探る姿は、見る側にも元気を与えてくれます。一人一人の個性を尊重する、パーソン・センタード・ケアについても紹介していますので、介護者必見の映画です。

 鹿児島市役所には、この4月に認知症支援室が創設されました。専門機関や認知症の人と家族の会との連携、介護講座などもあるそうなので、適切なアドバイスがもらえるのではないでしょうか。ぜひこうした相談窓口も利用して、一人で抱え込まないようにしてください。

◆【プロフィル】くろいわ・みちこ 鹿児島コミュニティシネマ代表理事。1958年鹿児島市生まれ。鹿児島大学法文学部文学科卒。広告代理店、フリーライター、出版社を経て2007年鹿児島コミュニティシネマを設立。自主上映活動の後、10年4月よりガーデンズシネマを運営。鹿児島市在住。