断崖絶壁の孤島「神ノ島」 探検したら本当にあった…言い伝えの「石の祠跡」 笠沙

 2022/05/25 15:10
神ノ島の断崖=南さつま市笠沙町片浦
神ノ島の断崖=南さつま市笠沙町片浦
 鹿児島県南さつま市笠沙町片浦沖の神ノ島の山頂にあると伝わる、皇祖神ニニギノミコトをまつる石の祠(ほこら)跡を地元の住民グループが発見した。文献には残っているが、これまで未確認だった。祠を再建して「神宿る島」に光を当てる。

 片浦漁港から約1キロ離れた周囲約650メートルの無人島で、標高は約70メートル。笠沙町誌や加世田再撰史によると、昔は竹島と呼ばれた。祠の建立年月日は不明。旧暦の11月16日が祭日で、江戸末期ごろまでの神事の記録がある。当時の宮司が地元の野間神社の宮司と同名だったことから、現宮司の田原公さん(58)は「野間神社から分霊した可能性もある」と推測する。野間神社も祭神はニニギノミコトだ。

 そんな由来から神ノ島の別名が付いたが、私有地で断崖を登るのも難しく、これまで石の祠は言い伝えになっていた。消防のレスキューOBを含む住民6人が許可を得て4月に上陸。山頂に祠跡とみられる石積みの土台を見つけた。その下には石垣で側面を固めて造成した平たん地があり、神事を執り行ったらしい。

 所有者の同意があれば、新たに石の祠を設置する意向。グループの橋口一郎さん(69)は「子どもの頃から聞いていたことが真実と分かった。おはらいをして歴史を顕彰していきたい」と話した。