海の生物育む藻場どう再生? 人工礁使い実証実験 鹿児島市の海で1年かけて付着させた藻を指宿へ イカ産卵場、イセエビのすみかに期待

 2022/05/29 07:30
藻が付着したブロックの引き揚げ作業=鹿児島市与次郎1丁目
藻が付着したブロックの引き揚げ作業=鹿児島市与次郎1丁目
 藻を人工礁に付着させ、海藻類が減少する海に移設する実証試験に、鹿児島大学の門脇秀策名誉教授(71)や長崎市の企業が協力して取り組んでいる。28日には鹿児島市与次郎1丁目の長水路に沈めていた人工礁を引き揚げた。指宿市の海に運び、藻場造成を目指す。

 海藻が多く生える藻場は海の生き物が隠れたり産卵したりする場所になる。二酸化炭素を吸収・固定する働きもあり、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて注目される。一方、県内各地で問題となっているのが、海藻類が減る「磯焼け」。ウニなどによる食害や、水中の栄養分不足による枯死が原因とされる。

 昨年5月、朝日テック(長崎市)が米国で開発された人工礁「リーフボール」を応用して造ったコンクリートブロックを長水路に沈設。1年間かけてホンダワラ類の仲間である藻のマメタワラを付着させた。

 28日に引き揚げた人工礁は指宿市岩本の海に沈め、イカの産卵場所やイセエビのすみかとなることが期待される。長水路には新たなブロックを沈めた。

 門脇名誉教授によると、長水路には食害する魚がほとんどおらず流れも穏やかなため、多くの海藻が生えているという。朝日テックの池田修社長(72)は「県内外に海藻の種苗を供給する、藻場造成の基地になれる可能性を秘めている」と話した。