共感呼んだ寺の掲示「正しい戦争なんてあるもんか」 次作は人気漫画の主人公のせりふ 揮毫の書家「つらいことや後悔も、美しい人生の一場面」

 2022/06/06 11:30
今年3月に掲示された宮路恵子さんお気に入りの法語(西本願寺鹿児島別院提供)
今年3月に掲示された宮路恵子さんお気に入りの法語(西本願寺鹿児島別院提供)
 アニメ、漫画のせりふや有名人の格言を取り入れ、人気を集めている西本願寺鹿児島別院(鹿児島市東千石町)の法語。揮毫(きごう)するのは、児童クラブ支援員で同市玉里団地1丁目の宮路恵子さん(50)だ。3年間で約150枚を書き上げた。「読みやすく、印象に残る字体は難しいが、楽しみながら続けている」と笑顔を見せる。

 2019年、書道の師範代の資格を持つ宮路さんに白羽の矢が立った。交差点にある鹿児島別院の掲示板をいつも見かけていて「いつかは私もこんな作品が書けたらと思っていた。まさか依頼が来るとは」。同年4月から掲示板4カ所の法語を書き続けている。

 5月の法語はロシアのウクライナ侵攻に対する思いを込めて、アニメ機動戦士ガンダムシリーズの主人公のせりふ「正しい戦争なんてあるもんか」。ツイッターでは8万人超の「いいね」がつき、大きな共感を呼んだ。「うれしいような、恥ずかしいような複雑な気持ち。多くの方に注目されていると思うと身が引き締まる」と話す。

 6月は人気漫画「銀魂」の主人公のせりふ「最期まで美しく生きようじゃねーか」。つらいことや後悔する出来事があっても、美しい人生の一場面であり、一日一日を前向きに生きてほしい、とのメッセージを込めた。

 これまで揮毫した152枚の中で、一番のお気に入りはフィギュアスケートの元五輪代表で織田信長の子孫、織田信成さんの「泣かぬなら それでいいじゃん ホトトギス」だという。宮路さんは「仏様の教えを身近に感じてもらえるよう、これからも細く長く、マイペースで続けていきたい」と温和な表情を見せた。